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「A、おいで」
お風呂から上がって髪を乾かして。
そこからはもう、そういう空気になるまでは一瞬だった。
さっきお風呂で上がったらしてもいいよ的なことを匂わせた手前、いまさら断ることはない。
素直に彼の元に向かえば、ゆるい笑みを浮かべた彼に腕を引かれた。
「A、俺とおんなじ匂いすんね」
『そりゃ同じの使ったからね』
「なんかむらむらしてきた」
『…は？』
脈絡をどこかに置いてきたんだろうか、この人は。
そんな視線を送ってみたら、「じょーだんだよ」って私の頭をくしゃりと撫でる。
そして。
ベッドに座らされた私と向き合った彼の指先が、そのまま頭から降りてきて、私の唇をつうっとなぞった。
触れられているだけなのに唇に熱が集中して、喉の奥が乾いていくような感覚に陥る。
「やわらか」
『っ、…別に、ふつうだよ』
柔らかさを確認するように唇を辿っていく人差し指が、こっちを見て笑ってるその顔が。私の脳に甘さを運んできて、蕩けてしまいそうだ。
これからされることなんてわかってはいるけれど、それを期待するように徐々に上がっていく心拍数が鼓膜を揺らして。
下唇をなぞっていた指が顎へと移動して、くいっとそれを持ち上げた。
『…っ、ん、』
それと同時に、軽く私の唇に触れた柔らかな感触。
少し温かくて、それで柔くて甘い口付けが、角度を変えて何度も何度も落とされる。
『っ…はぁ、』
力が抜けて緩んだ唇に、割って入るように彼の舌先が侵入して中を犯す。
まるで食べられてるみたいに包み込まれて、後頭部に回った手がわたしの頭を引き寄せた。
そしたらさっきの何倍も口付けは深くなって、ちょっと苦しいくらいで。
酸欠になった私の脳の奥は、その甘さにくらくらと震えてくる。
離れた唇、零れ落ちる髪から香る柔らかな匂いが混ざり合う。
「A」
甘い不安に瞬きをした私を見て、彼がふにゃりと頬を緩めた。
その表情と私に触れた手にさらに上がった体温。
ゆっくりとシーツの上に押し倒されていくのを感じながら、私は目の前の彼に身を委ねて。
薄暗い部屋の中、
私たちは柔らかくて深くて蕩けそうな愛の中を泳いだ。
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つづきは裏要素を含むのでPrivatterにてフォロワー様限定で公開します。
@koyuki_snow_nv
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ryuryu0528(プロフ) - 何回も読ませて頂きました。ぜひTwitterの方も読みたいです。 (12月31日 0時) (
レス) @page20 id: c47e3b9cc4 (このIDを非表示/違反報告)
kmgapsy03(プロフ) - 何回も読ませていただいてます！まだまだ物語終わってほしくないです！続き楽しみにしてます♡ (2022年3月2日 1時) (レス) @page20 id: 70d4c7f329 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - ぽきさん» ありがとうございます…！ずっとゆるい感じが続いているので大丈夫かな？と思っていたので、そのように言っていただけて安心しました…！そんなに読んでいただけているなんて、！本当に嬉しい限りです！これからもよろしくお願いします…！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 75c0547d0d (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - yikumiさん» コメントありがとうございます…！私の書きたかった空気感を汲み取っていただけているようですごく嬉しいです…！お読みくださりありがとうございます！今後もよろしくお願いします…！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: 75c0547d0d (このIDを非表示/違反報告)
ぽき - このお話大好きです！！！主人公の女の子とふっかの世界がめちゃめちゃ好きです！！！だから、ダラダラな長い話になってでもずっと読んでいたいって、個人的に思ってます。今公開されてるやつだけでも、5回は読みました！それくらい好きです！！！ (2021年2月15日 22時) (レス) id: 15956853ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年11月4日 10時
