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少し開いた唇の間から舌を滑らせれば、Aは時折息を漏らしながら舌を絡める。
俺に応えようと必死でついてきてくれるのとか、俺の膝あたりに置いた掌をぎゅっと握りしめてるのとか。
そういう要素全てが俺の理性を蝕んでいって。
『…A、あっち行こ、』
離れた唇。乱れた呼吸を整える彼女にそう言えば、驚いたように長い睫毛を揺らして。それから耳朶まで赤く染めてこくりと小さく頷いた。
ベットに座って、Aの腕を引けば彼女はそれにバランスを崩して俺の上に跨る。
そのまま俺は、唇をきゅっと結んで少し濡れた瞳でこっちを見てる彼女の腰に腕を回した。
『…いい？』
下からちょっと見上げるみたいにそう聞けば、さっきみたいにまた、赤く染め上げた顔で小さく頷いた。
ぎしりと甘い音を出したベットに、Aの体がゆっくり沈んでいく。
邪魔だから取った眼鏡をベットサイドに置くと、かちゃりと無機質な音がした。
Aの頬にかかった長い髪を指で優しく払えば、彼女は唇を開いて俺を呼ぶ。
「っ、ふっか『なぁ、』…ん、」
『ふっかじゃなくてさ、…辰哉って呼んで？』
……佐久間のことは下の名前で呼んでたじゃん、
聞いたのはあの日の一回だけだけど。今も思い出せるくらいはっきりAの声は耳に残ってる。
その要求に少し動揺したように視線を揺らしたあと、小さく唇を動かした。
「……た、」
『ん？』
「……たつ、や、」
バッと。
俺の名前を呼んだ後、彼女は細い腕で目のあたりを抑えた。恥ずかしかったのか、グッと下唇を噛んでる。
『A、顔見せて？』
「やだ、無理。最悪、」
腕で顔の周りをブロックして、なかなかそれを取ろうとしない。
…首筋まで真っ赤じゃん。
あー、まじ可愛い。もうダメだわ俺。
『だーめ』
Aの細い腕に手をかけて、ゆっくり顔から剥がした。熱の籠もった彼女の瞳はうっすらと濡れてる。
『かあいい』
「ふっか、待っ、」
『だから、辰哉、ね？』
ちゅっと、軽いリップ音と共におでこキスを落とせばちょっと睨まれた。
『そんな顔して、煽ってんの？』
「は？！」
『ふはっ、』
こんなAを見れるなんて、いったい誰が想像しただろうか。
動揺した彼女が可愛くて。
目の奥が、ゆらゆらしてるのが愛おしくて。
『A、好きだよ。』
その言葉にAが唇を開くよりも先に、
俺は彼女の艶めく赤色を喰べた。
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こゆき(プロフ) - acoさん» コメントありがとうございます…！照くん、私も自分で書いていてチクチク心を痛めていました笑 いつになるかは分かりませんが、みんなが幸せになれるお話を書こうと思っているので、そこまでお付き合いいただけたら嬉しいです…！！これからもよろしくお願いします！ (2020年11月7日 11時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！照に幸せになって欲しい！私が幸せにしたい！！なんて思いながら、一緒に心の端っこをチクチクさせてました。ふっかのお話だけど、照が好きな私はいつもどこかで照も幸せになって欲しいなって読んでます（笑）これからも応援してます！ (2020年11月4日 11時) (レス) id: fa0e891597 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - mikkyさん» こちらこそ、いつも読んでくださってありがとうございます…！コメント嬉しいです！わぁ、ほんとですか…！そのように言っていただけて嬉しいです…！これからもよろしくお願いします！ (2020年8月31日 18時) (レス) id: 19841568b6 (このIDを非表示/違反報告)
mikky(プロフ) - 更新ありがとうございます^ ^Twitterの方も読みました！素敵過ぎなお話でした...！ちょっと焦らされてるふっかさんも大好きです。（笑）またの更新待ってます^ ^ (2020年8月19日 23時) (レス) id: 27e731af2f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - きこさん» ありがとうございます、更新楽しみにていただけているというお声が聞けてとても嬉しいです…！申請、たぶん通していると思うのですが楽しんでいただけましたかね…？楽しんでいただけていたら幸いです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年8月19日 19時) (レス) id: 8e77232333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月17日 13時
