. ページ30
.
『服、ありがと。』
着替えてリビングに戻れば、彼もいつも通りのラフな格好に戻っているし、さっきまではかけてなかった眼鏡をかけてる。
彼の部屋に来ると見れるオフって感じのスタイルが、実は私は一番好きだったりする。
「んー、あれ、なんか思ってたのと違う。」
『何が？』
「俺の予想では、シャツの裾がもうちょっと下にきてちょうどズボンとかぶるくらいの感じになって、うわ、えろーって言って、からかうはずだったんだけど。」
…なに言ってんだ、この人は。
『……。』
「あ、ごめん、うそうそ笑」
へらへら笑ったあと、彼は拗ねちゃた？と私の腕を引いてソファーに座らせた。
すいませんね、背が高くて。
点けたテレビの画面を見ながら、ふっかが「あ、もう８時？そろそろ飯食わないとな」と私を見る。
「何食べる？」
『なんでもいいよ。』
「じゃあラーメン頼もっか。」
『また？笑』
「やだ？」
『ううん、いいよ、』
ほんとにラーメン好きだな、
私たちの夜ご飯はラーメン率が高い。
ラーメンの出前を頼んで、二人で食べて。
食べ終わると再び2人でソファーに座って、冷蔵庫に入っていたお酒を片手に、帰り道にコンビニで買ったおつまみを食べながら、テレビを見る。
ここまでの流れは、前にも何度か経験してるけど。
ソファーに座る私たちの距離が近いのが、今までとは違うところかもしれない。
「A、これ食べてみ。めっちゃうまいから。ん、口開けて」
『え、自分で食べれる』
「いーから」
遠慮がちに開いた口から、ちょっとしょっぱいおつまみが中に入ってきた。
「うまいっしょ？」
『うん、』
彼に頷いたあと、ごくりとビールを飲み込んで一缶空ければ、彼は「もう一本飲んだの？」と私の頭を撫でる。
『喉渇いてたから、』
「俺もうこれ以上飲んだら酔うから、俺のあげる。」
はい、と渡された缶。確かに彼の頬は若干赤くなってきていた。
『ねぇ、なにしてんの』
「ん？遊んでる。」
飲むものがなくなって、テレビにも飽きて暇になったのか、さっきから私の背中をツンツンとつついてる彼は、やっぱりもう酔ってるのかもしれない。
「A、こっち向いて。」
『やだ、なんか今そっち向いたらいけない気がする』
「なんで」
だってすごい甘いもん、空気が。
そう言おうとしたのに、その声は私の後頭部に手を回して引き寄せた彼の唇に吸い込まれた。
…あぁ、ほら。思った通りじゃないか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3808人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こゆき(プロフ) - acoさん» コメントありがとうございます…！照くん、私も自分で書いていてチクチク心を痛めていました笑 いつになるかは分かりませんが、みんなが幸せになれるお話を書こうと思っているので、そこまでお付き合いいただけたら嬉しいです…！！これからもよろしくお願いします！ (2020年11月7日 11時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！照に幸せになって欲しい！私が幸せにしたい！！なんて思いながら、一緒に心の端っこをチクチクさせてました。ふっかのお話だけど、照が好きな私はいつもどこかで照も幸せになって欲しいなって読んでます（笑）これからも応援してます！ (2020年11月4日 11時) (レス) id: fa0e891597 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - mikkyさん» こちらこそ、いつも読んでくださってありがとうございます…！コメント嬉しいです！わぁ、ほんとですか…！そのように言っていただけて嬉しいです…！これからもよろしくお願いします！ (2020年8月31日 18時) (レス) id: 19841568b6 (このIDを非表示/違反報告)
mikky(プロフ) - 更新ありがとうございます^ ^Twitterの方も読みました！素敵過ぎなお話でした...！ちょっと焦らされてるふっかさんも大好きです。（笑）またの更新待ってます^ ^ (2020年8月19日 23時) (レス) id: 27e731af2f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - きこさん» ありがとうございます、更新楽しみにていただけているというお声が聞けてとても嬉しいです…！申請、たぶん通していると思うのですが楽しんでいただけましたかね…？楽しんでいただけていたら幸いです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年8月19日 19時) (レス) id: 8e77232333 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月17日 13時
