鱗のつばさ (ページ27)

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side監督生
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ぺこぺこと何度もお辞儀をして席を立つ。

早足で歩き出すと、角でぽんと誰かにぶつかった。

見上げるとそこには銀髪に眼鏡の先輩が眉間にしわを寄せて見下げている。

「ユウさん、周りを見て歩かないと怪我をしますよ」

「す、すみません！」

「いえ。それで、お悩みは解決しましたか？」

お悩みはあなたのことなんです。

なんて口が裂けても言えない。

けれど聞くなら今しかない。

チラチラと辺りをうかがって人がいないのを確認すると、こそこそと尋ねた。

「アズール先輩は、アクセサリーを誰かにあげましたか？」

「アクセサリー……？ああ、錬金術のやつですか。いえ、特にまだ渡してはいませんが」

「誰かにあげる予定とかあるんですか？」

「どうでしょうか……考えてませんでしたね。僕当日はラウンジの仕事があるので、週末に帰る予定はありませんし」

上の方を見ながら予定を思い出している先輩。

これはチャンスかもしれない。

けれど言い出す勇気はない。

まさか「舞踏会で一緒に踊りたいのでアクセサリーをください」なんて差し出がましいお願い。

「……すみません、用事があるのでいいですか？」

「あっ、ごめんなさい！頑張ってください！」

怪訝そうにこちらを見つめてそうこぼした先輩に、言えるはずもなかった。

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(幕間)

「グレイ、監督生になにか言いました？」
「いや？普通にお悩み相談しただけだけど」
「はあ……なんだか面倒なことになりそうですね…………」
「なに？なんか言われたの？」
「いえ特には」
「ああそう…………」

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