鱗のつばさ (ページ49)

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side監督生
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舞踏会当日。

軽く化粧をして、出張版のモストロ・ラウンジへ足を運ぶ。

グリムはエースとデュースのところへ行ってしまったので、私は自由に行動ができるようになった。

会場にはいると、おどろおどろしいような不思議な感覚に陥る。

みんな急いであっちへ行ったりこっちへ行ったりしていて、

近くにいたジェイド先輩に声をかけた。

「あの、お手伝いに来たんですけど……」

「ああ助かります。すみません、楽器の搬出を手伝っていただいても？あっちに行けば他の人がいらっしゃるのでそっちで指示をもらってください」

両手にグラスを抱えた先輩は目線だけを裏方に投げてそう言うとすぐにさっさと歩いていってしまった。

言われた通りの場所へ向かうと、先輩たちが大きな楽器を運んでいる。

指示をもらってマイクを抱えて会場へ運んだ。

アズール先輩はどこだろうとちらちら目で追う。だがその姿は見当たらない。

近くの同じ寮の人に聞けば「うちのお姫様をお迎えに行ってるんだよ」と笑われた。

お姫様。

誰だか検討もつかない。

不安なような嫉妬のような気持ちを抱えながら来た道を戻った。

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(幕間)

「おいジェイド、オンボロ寮の監督生来てたぞ、本当のこと言わなくていいのか？」

「本当のことですか？いいんですよ、これは寮長のご決断ですから」

「いやわかってたことだがアズールもかなり性格悪いよなあ……」

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