鱗のつばさ (ページ34)

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sideアズール
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からり、とポケットに入ったネックレスが鳴った。

監督生の感情はわかりやすい。

「あの、舞踏会当日、よければモストロ・ラウンジのお手伝いをさせてくれませんか？」

「おやおこづかい稼ぎですか？構いませんが……」

「いえ違うんです、その…………」

言い淀む監督生に首をかしげた。

言いたいことがあるならすっぱりと言ってしまえばいいのに。

ポケットの中からグリーンの石が所々にはまった女性もののネックレスを取り出した。

グリーンの石は三つ金属部に入っていて、チェーンは主張の弱い細身のもの。

真ん中には錨の装飾がされている。

「生憎僕は当日は踊る予定はありませんし、これは前払いの報酬です」

「い、いいんですか？」

「必要ないなら捨てますけど」

「いります！もらいます！」

なにを勘違いしているのかは知らないが、まあ彼女が楽しいなら別にいいだろう。

彼女の持っていた試験管を一振りして、代わりに魔法をかける。

ちょうどグレイも終わったのか、ニコニコと笑いながら自分の手に持っていた試験管のひとつを抜き取った。

「じゃあレポート頑張ってね、アズール帰るよ」

「ええ、それでは失礼します」

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