鱗のつばさ (ページ31)

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行き先を寮から魔法薬学室に変更する。

すぐそばの角を曲がってガラスでできた温室に入ろうと部屋の扉に手をかけると、

中から爆発音が聞こえた。

「……！？」

「気を付けて開けましょう、もしかしたら事故かもしれません」

そっと扉を開けると、隙間から煙が漏れる。

すぐさまペンを大きく振って、部屋中の窓を開けた。

「そこに誰かいらっしゃいますか？」

「……セイレーン先輩！」

「…………監督生？」

煙が落ち着くと、そこには例の三人組と魔獣くん。

話を聞くところによると、魔法薬学の追試を受けたが追試の時点で成績はお察し。

もう一度チャレンジしてみたところあの大爆発に至るんだとか。

「それ、どんな内容？」

「なんか治療薬を作れ、ってやつなんですけど」

「え、そんな初歩的なので躓いてるの。……アズール」

「僕は手伝いませんからね」

「さっすがわかってるねぇ！じゃあ輝石の星を二つ、青いやつ取ってくれる？」

ぱちん、と指を鳴らしてそう言えば、

納得したように「あの薬ですか」と言って壁に並んだ瓶に近づいていった。

「優しい先輩がその薬の作り方を教えてあげよう」

「いいんですか！？」

「まあ困ってる後輩を見てたら無視できないしねぇ」

遠くからの「彼は魔法薬学トップクラスですよ」の声に尊敬の眼差しが投げられたのはまた別の話。

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