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Dear.6 ページ8

あなたside





ボスンッ





あれから家に帰って、ベッドにダイブした。
小さく息を付きながらスマホの画面を見れば、一つ新しい友達が出来てる。

それを見つめながらマスターとのやり取りを思い出す。





・・・

あのあと、冷めてしまった残りのコーヒーを飲み干してお会計しようとレジへと行ったら…




マ「あら?お会計なら慧ちゃんがしてくれてるから、いいわよ〜」

『え…?私の分も…ですか?』

マ「そうよ〜!」

『そう…ですか』




先程からの慧の行動に戸惑ってるのに、更にお代まで払ってくれてた。そのことに申し訳ない気持ちが溢れてきて、顔を俯かせたときだった。





マ「…んも〜そんな顔しないのっ!
こういうのは素直に受け取っておけばいいのよ!」

『…はい』

マ「んふっいいお返事じゃない。
そうね、あなたのこと気に入ったわ!
またここにいらっしゃい。歓迎しちゃうわ!」



・・・



久々の慧と過ごす空間と、独特な雰囲気を持つマスターで気づかなかったけれど…






“マスター、ホットコーヒー2つちょうだい。それと、1つはミルクと砂糖たっぷり入れて”





私がブラックコーヒー飲めないの覚えててくれてた。
流石に今は飲めるけど、昔は飲めなかった。
そんな些細なことを覚えててくれた事に、胸が締め付けられる。

と、同時に思い出した事。




“返信とか電話とか気づくの遅れるかもだけど、いつでも連絡してきていいから。”




その言葉を思い出してもう一度画面を見る。






『…なにか、送ったほうがいいのかな、』






そう呟きながら画面をタップしてトーク画面を開いた。
何送ればいい?
今日はありがとう?それともよろしく?





『コーヒー奢ってくれたの、お礼言わなきゃ…だよね?』



そう口にして入力していくその手が止まった。





『……急に、消えて…
普通に話すのは、なぁ…』






自分から消息を断った。慧の前から何も伝えずに。親にも口止めして。
慧が私のことを探してたのも、親から聴いてた。
そんな酷いことしておいて、普通に連絡なんて酷すぎる。

それに―――――――――――









『あー!もうっ!』







そう言いながら枕に顔を埋める。
だから、会いたくなかったのに…。
遠ざかった、のに…。

そう思いながら、意識は深い場所へと落ちていった。
何故か、懐かしい夢を見た気がした―――――。

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作者名:永遠色 | 作成日時:2017年10月25日 0時

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