‘さよなら’の代わりに何が言えるというのか (ページ6)

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あれから一週間は過ぎたか。

会社ではミスなく定時に帰る日々を過ごしていた。

家に帰れば無機質な部屋が出迎えてくれる。
そういえば猫を飼い始めるのもこのくらいだったか。
もう今更飼っても、猫自身、すぐに主人をなくすなんて悲しいだろう。
猫は諦めようか。

ふとパソコンを起動させてその画面に驚く。

検索エンジンには猫関連が連なっている。もちろん、最近検索した覚えはない。

まるでもう一人の自分がいるみたいで、不快だった。

自分の未来を知らず生きている自分が、憎かった。

どうしてこんなにも苦しいのだろう。

それは、自分でもよく知っている。
この世界は、確実に私が一度生きた人生通りに帰着しようとしている。
気付けば冷蔵庫に物が増えていることは当たり前に起きている。

つまり私の終着点は変わらない。

……Xデーは変わらない。

きっと猫も気付けば存在していた、なんてことになるんだろう。

何も変わらず、何も変えられず、私は消えるのだろう、か。