【ONEPIECE】幽霊少女と大海賊時代 (ページ9)

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⑧チョッパー視点ページ9

俺はひとりが大嫌いだ。

だから、昼間あったAってやつを救ってやりたい。

…それと、一言でいいから謝りたい。

ルフィだったらもっと上手くやれていたのかな。

…俺はダメなやつなのかもしれない。

ゾロに「ダメに効く薬、作ってみる。」って言ったのに俺自身がダメダメだった。

でも、これ以上ロビンとサンジに心配をかけたくない。

夢は口に出すくらいがちょうどいいから、

俺はロビンと約束した。

必ず、「Aを救ってみせる」って。

出来損ないの俺に、ロビンは微笑みかけて「頼もしい」って言ってくれた。

う、嬉しくないぞコノヤロー！

とは言いつつも、本当は褒められるのが大好きだ。

「あの…チョッパーくん？だっけ、こんばんは。」

サンジに貰ったわたあめを一口だけ食べたとき、

突然後ろに慣れない気配が走った。

「うわっ！って、A…？」

そう、そこにいたのは紛れまなくAだった。

幽霊少女、なんて言うものだから俺には触れられない。

涙の跡がちょうど乾ききっていて良かった、と安堵した。

さっきまでメソメソと泣いていたなんて知られたら、恥ずかしいから。

それに、厚い毛皮があるから

目の周りが腫れたり赤くなっていたりしても

大体の人は気付かないだろうし。

「そう、昼間はごめんね。

トナカイなのに狸と勘違いしちゃったし。

…それに、タイミング悪く消えちゃって。

チョッパーくんが罪悪感を感じてたらどうしようって思って、

いてもたってもいられなくなってここまで飛んできたの。」

…どうして、俺が謝られているんだ？

俺が悪いのに。

…こんなに優しい人が、生涯ずっとひとりで居ることを強いられているのか？

俺が、助けてあげなきゃ。

「俺もごめんな。

…なあ、突然消えちゃうのってお前の意思じゃないのか？」

俺は、Aのことを何も知らない。

「うん、そうだよ。」

Aは少しだけ悲しそうな顔をした。

不本意だったんだな。

「ならさ、友達がいないのか？」

俺と友達になろう、何故かその一言が言えなかった。

「…元の世界にいたときは友達も、親友も、家族もいたんだけどね。

こっちの世界に来てからは、ひとりも。

仲良くなってもすぐに消えちゃうし。」

…どういうことだ？

元の世界とか、こっちの世界とか。

「…それって、元々は違う世界に生きていたってこと？」

ハナハナの実の能力でこちらを覗いていたロビンがそういった。