【ONEPIECE】幽霊少女と大海賊時代 (ページ3)

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③ ページ3

「ふふ、今日も元気ね。」

「全く…今日も騒がしいわね。」

そんな彼らを尻目に、ナミとロビンはそう喋っていた。

潮風に揺られる船の上、今日も麦わら海賊団は平和だ。

「なあ、ナミ！」

ルフィはそんなナミの苦労を知る由もなく、

「その幽霊少女ってやつに会いにこう！」

そういった。

次の島で物資を補給しようと決めたばっかりでしょ、とナミはため息をつく。

「あ、そっかぁ…。でも、その子は今もひとりぼっちなんだろ？…可哀想だな。」

チョッパーは、一瞬諦めの表情を見せたが、やはり諦められない様子だ。

「まあ、しょうがないわね。船長が言うならそうしましょう。」

ナミは、「少女」という言葉から子供を連想して、「子供が今もひとり寂しい思いをしている」様子を想像した。

そう考えると、放っておいてはいられない。

「本当か！」

チョッパーは歓喜の声をあげる。

「よっしゃー、面舵いっぱーい！」

ルフィは上機嫌で、どこにあるかも分からない「幽霊少女のいる場所」を目指した。

「ちょっと待ちなさいよ！１回物資を補給してからね。…それと、その子がどこにいるかもまだ分かんないんでしょ？どうすんのよ。」

ナミは、一瞬情に流されてそう言ってしまったが、どこにいるのかもまだ分からないのにどうやって行くのだ、と現実的に悩み始めた。

「うーん、まあ、テキトーに進んでいったら会えるんじゃねーか？」

ルフィは、自信満々にそういう。

はあ、うちの船長は本当に呑気ね、とナミは少し困ったような顔をしたが、

本気で呆れているわけではない。

未来の海賊王と自分自身が認めた男が、そう言っているのだから。

本当にどうにかなるのではないかと思い始めてきている。

最初こそルフィのマイペースさに驚いていたものの、

ルフィの強運と人望は、きっと偶然なんかじゃないから。

「…こんにちは。」

「わあっ！」

突然聞こえた、今にも消え入ってしまいそうな挨拶にナミは思わず尻もちをついて、声を上げた。

「なんだっ！？ってうわあ、飛んでる！…幽霊！？ひ、必殺ウソップスペル！口内炎が五個一気にできた！」

ウソップは飛んでいて青白く消えかけの少女を見て、「ウソップスペル」を発動させた。

…まあ、そう格好よくは言ってみたものの、

ウソップスペルというのはただ「聞くだけで痛い」という誇張表現を鵜呑みにしているだけのスペルだ。