戦える09 ページ10
「赤葦さん、審判お願いできます?」
「わかった。黒尾さん、形式上“試合”といえど非公式ですし、それに相手は女子ですから、一応力加減は考えて下さいね」
「赤葦は俺をなんだと思ってんの…」
「渡貫さんも無理しないようにね」
「了解です」
テーブルやら何やらをどけて、広い空間をつくった。
お互いが配置につき、赤葦さんが注意事項を述べる。
「くれぐれも派手な怪我はつくらないように。寮を壊すのも、もっての他です。あとは、観戦者に怪我をさせないようにし「さっさとはじめよーぜあかーし!!」………怪我をさせたらいけないのは、あくまで観戦者です。木兎さんはギリギリセーフですので、重傷を負わせても構いません。むしろ重点的にやって下さい」
「あかーし!?」
「赤葦さん注意事項の意味わかってます?」
仁花は何故かガチガチに緊張しているけど、日向と影山はそわそわしながらこちらを見ている。
「…それでは始めます。言っておきますが、俺が“やめ”と言ったら絶対にやめて下さいね。では、どうぞ自分の好きなタイミングで襲いかかって下さい。試合、開始」
赤葦さんの無気力な声が聞こえると共に、黒尾が飛び出してきた。
先手必勝ってヤツ。いいんじゃないだろうか、相手を怯ませるにはいい手法だ。
黒尾も、考えてるじゃないか。
――まあ、私には効かないけど。
腰が入ったパンチがまずは額に飛んできた。フォームが綺麗だ。お手本のよう。
そんな黒尾に対して、私はまだ一歩も動いていない。
脚がすくんで動けないとかじゃない、文字通り動かないだけ。
眼前に迫った拳。私はつい、と顔を傾ける。
スルリと拳が空をきった。
「!」
「私の勝ち」
そのまま拳を腹に叩き込むと、黒尾が尻もちをつく。
詰まるところ、私の勝利だ。
「ぐっ…! あ、ヤバい吐く」
「ちょっと黒尾ここで吐かないで!!」
「…もう終わりだとは思いますけど、一応やめ。勝者、渡貫あずさ」
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志織(プロフ) - ルルさん» ありがとうございます(笑)まあ矢巾くんも色々あるので、よければ彼のことも見守ってあげて下さい(笑) (2017年1月20日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - うわぁ、この辺凄いムカツク。屈辱的な負けはryって言うのは酷い言いぐされですよ!Eランクだって、侮辱され続けるのは癪に触るんですぅ!夢主ちゃんは下克上、上等なんですぅ!あ、更新頑張って下さい (2017年1月20日 2時) (レス) id: e052dda088 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 瑠璃さん» お気に召して頂けたようで良かったです(*^^*)設定多いと自分でわからなくなりそうだったので、これくらいの設定量になりました(笑)コメント、ありがとうございます! (2017年1月18日 1時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ファンタジー系は設定が無駄に多くついていけない所があって苦手なのですが、この話は徐々に紐が解けていってとても面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2017年1月17日 19時) (レス) id: c4ea085584 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - キャロルさん» 気になって頂けたなら書き直したかいがありました(*^^*)ありがとうございます! (2017年1月14日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:志織 | 作成日時:2016年3月28日 22時