戦える３４ ページ35
ふらつく身体で自寮へと戻る。
【ハナフダ】
もし、これを使いこなせたら。
或いは、私達にたくさんの進化をもたらすのかもしれない。
だって私も仁花もまだまだ未熟であり、それこそ“超能力者の卵”であるのだから。
それには、メンタルケアだって大切だ。
焦ってばかりじゃいられない。
もっとも、悠長にする暇もないのだけれど。
「…仁花、ちょっといい？」
お風呂あがりの仁花を捕まえ、私の部屋へと連れていく。
ホットミルクを作って、椅子に腰掛けた。
「急にどうしたの、あずさちゃん。ハッ、ままままさかレンアイソーダン………！？」
なぜか慌てふためく仁花を見て、自然と笑みが溢れる。焦ること、ないのになあ。
「いや、違うよ。……ダブルスのことなんだけど」
そう言うと、途端に仁花は固まってしまった。小さな声で「ごめんなさい」を繰り返す。
「ご、ごめんなさい、私が足引っ張っていて…」
「それはお互い様だよ。私だってそうだから、安心して。…やっぱさ、日向と影山のみちゃったら焦るよね」
仁花は遠慮がちにコクリ、と頷いた。
「…【ハナフダ】。それが、私達のダブルスの能力名」
仁花がえ、と声をあげる。確かに、開花の予兆すらみせないダブルスの能力名を事前に知っているだなんて、おかしな話だ。
でも、今はそんなこと問題じゃない。
「いい、仁花。きっとその場しのぎに完成させた能力じゃ意味がない。強い奴には負けてしまう。…だから、私達は時間をかけて、強い力を作り出そう。きっとそれが、私達の最善なんだよ」
うまく伝わるかは分からない。でも、それでも伝えておかなくては。
「…そうだ、よね…うん、そうだよ。私達は私達。私、焦ってた。うまくいかないって。…ありがとう、あずさちゃん。肩の力、抜けたよ。もっと気楽に構えていいんだよね」
仁花はそう言ってニコ、と笑った。どこか吹っ切れたようだ。
「…ふふ、そうだね。でも気を抜きすぎないようにしなきゃね、日向達に負けてらんないし」
仁花はうん！そうだね！と声をあげて笑った。
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志織(プロフ) - ルルさん» ありがとうございます（笑）まあ矢巾くんも色々あるので、よければ彼のことも見守ってあげて下さい（笑） (2017年1月20日 19時) (
レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - うわぁ、この辺凄いムカツク。屈辱的な負けはryって言うのは酷い言いぐされですよ！Eランクだって、侮辱され続けるのは癪に触るんですぅ！夢主ちゃんは下克上、上等なんですぅ！あ、更新頑張って下さい (2017年1月20日 2時) (レス) id: e052dda088 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 瑠璃さん» お気に召して頂けたようで良かったです(*^^*)設定多いと自分でわからなくなりそうだったので、これくらいの設定量になりました（笑）コメント、ありがとうございます！ (2017年1月18日 1時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ファンタジー系は設定が無駄に多くついていけない所があって苦手なのですが、この話は徐々に紐が解けていってとても面白いです！！更新楽しみにしてます！！ (2017年1月17日 19時) (レス) id: c4ea085584 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - キャロルさん» 気になって頂けたなら書き直したかいがありました(*^^*)ありがとうございます！ (2017年1月14日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2016年3月28日 22時
