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戦える30【松川】 ページ31

『だ、れ…?』


その言葉を聞いた、及川は。


「――ッ!」


ものすごく、傷ついたような顔をした。
しかしその顔も一瞬で怒りに変わる。


「っうるせえ! 消えろ、低ランク!!」
「やめろ及川ァ!」


岩泉の静止も聞かず、及川は自身の超能力で展開させた無数の氷柱をあずさに向かって飛ばした。
しまった、俺の位置からじゃ間に合わねえ!


「止めろ花巻ィ!!」


あの及川が珍しく全力で繰り出した攻撃を全力で止めるために、花巻は座り込んだままのあずさの前で手をかざす。逃げる時間はない。ここまでの動作で0.5秒…そして、これから攻撃が到達するまでおよそ1秒。その1秒で花巻がどれくらいの強いガードを張れるか。“目”でそれを見て、考えた。


と、その次の瞬間。


「うわっ!?」


あずさが花巻を押しのけて立ち上がり、片手を前にかざしてガードを創り上げた。
ちらりと見えた瞳は、赤く輝いている。


バキバキバキバキバキ、とガードと氷柱のぶつかり合う音が響く。敗れたのは、及川の氷柱だった。


「なっ――」


言葉が詰まった。どうしてEランクのお前が、そんな強いガードを張れるんだ。
赤い瞳で及川を見つめていたあずさは、突然プツリと糸が切れたように倒れた。


あたりは静寂に包まれていた。


ーーーーーーーー


パチリ、と目を開くと、見知らぬ場所に立っていた。


私が立っているのは、円形のイスだけが――ざっと20個ほど――ズラリと並ぶ所だった。


それ以外は白い空間が広がるばかり。
何をしようにも何もない。私はその中の一つに腰掛けた。その時だ。


突然の事だった。目の前に大きな本棚が現れたのだ。


「は…!?」


驚き、警戒はするもののやはり気になってしまうのは人間の(さが)とでもいうべきか。


私は一冊の本を取り出した。それにだけ、題名がついていたから。


「『ハナフダ』…花札?」


ペラリ、とページをめくる。中は何も書かれておらず、真っ白だった。


本を片手に唸る。
一体これはなんだろう。そもそも、ここはどこだろう。帰ることはできるのだろうか。


「「お困りかな、お嬢さん」」


一人だけのはずの空間に、私以外の2つ分の声が響いた。
 
 

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志織(プロフ) - ルルさん» ありがとうございます(笑)まあ矢巾くんも色々あるので、よければ彼のことも見守ってあげて下さい(笑) (2017年1月20日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - うわぁ、この辺凄いムカツク。屈辱的な負けはryって言うのは酷い言いぐされですよ!Eランクだって、侮辱され続けるのは癪に触るんですぅ!夢主ちゃんは下克上、上等なんですぅ!あ、更新頑張って下さい (2017年1月20日 2時) (レス) id: e052dda088 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 瑠璃さん» お気に召して頂けたようで良かったです(*^^*)設定多いと自分でわからなくなりそうだったので、これくらいの設定量になりました(笑)コメント、ありがとうございます! (2017年1月18日 1時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ファンタジー系は設定が無駄に多くついていけない所があって苦手なのですが、この話は徐々に紐が解けていってとても面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2017年1月17日 19時) (レス) id: c4ea085584 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - キャロルさん» 気になって頂けたなら書き直したかいがありました(*^^*)ありがとうございます! (2017年1月14日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志織 | 作成日時:2016年3月28日 22時

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