戦える２８ ページ29
「おー、来たなあずさ」
「って、伊達工の二口クンじゃん。青根クンもいるし……なに、お供？ 女王様かよ」
「そちらさんの生意気姫が迷ってらしたんで、仕方なぁく送って差し上げたんすよ。ね、あずさ」
「私は青根さんに道を聞きました。堅治さんに頼んだ覚えはないです」
「……あ、まって、今のめっちゃいい。もう一回呼んでくんない？ 堅治さんって」
「嫌です」
いきなり名前呼びをされたので乗っかってみたら真顔で二口さんがそう言う。青根さんに助けを求めると、小さく「後輩を困らせるな」と言った。
「青根が…！」
「喋った…！」
「先輩方青根のことなんだと思ってます？」
なにやら三人で話し込み始めたので、青根さんに話しかけた。
「青根さん、日向翔陽って知ってますよね。日向から青根さんのこと、聞いてます。凄い強いんだって」
そう言うと、青根さんは頬を緩めた。低ランクだからと馬鹿にされるか、もしくは覚えられていないかと心配したが、どうやらどちらも当てはまらないらしい。
「…日向翔陽は、強い」
その素材も然ることながら、強さと勝利への貪欲さは、日向翔陽の本質的な強さだ。
べた褒めとは、思いもしなかった。
「おい、花巻、松川」
「あ、岩泉来た」
「んじゃ入るぞ、あずさ」
「あ、うん。青根さん、二口さん、案内して頂いてありがとうございました」
そう言うと青根さんは頷き、二口さんは「堅治さんって呼べよー」と言った。彼らが背を向けたところで、岩泉と呼ばれた人に挨拶をする。
「初めまして、渡貫あずさです。いつも花と松がお世話になってます」
「あ、どうもご丁寧に。岩泉一だ、よろしく、渡貫」
軽く自己紹介を済ませ、三人の進むままそれについてゆく。
やがて一つの本棚の前で止まる。花がなにかカードのようなものを、やけに目立つ青い本にかざした。
［青城サークル花巻貴大、認証しました］
アナウンスが聞こえたかと思えば、その本棚がガチャリと壁から離れた。その向こうには、広い空間。
「…さァて、ようこそ、知る人ぞ知る図書室の鍛錬場へ」
ニヤニヤしながら花と松がこちらを見る。広がる広い空間は周りが本で囲まれていて、上を見ても天井がわからないくらい、高さもあった。
「――失礼します」
知る人ぞ知る。言い換えて、強い者のみが知る。それに見合うくらい、強者にならなくては。
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志織(プロフ) - ルルさん» ありがとうございます（笑）まあ矢巾くんも色々あるので、よければ彼のことも見守ってあげて下さい（笑） (2017年1月20日 19時) (
レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - うわぁ、この辺凄いムカツク。屈辱的な負けはryって言うのは酷い言いぐされですよ！Eランクだって、侮辱され続けるのは癪に触るんですぅ！夢主ちゃんは下克上、上等なんですぅ！あ、更新頑張って下さい (2017年1月20日 2時) (レス) id: e052dda088 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 瑠璃さん» お気に召して頂けたようで良かったです(*^^*)設定多いと自分でわからなくなりそうだったので、これくらいの設定量になりました（笑）コメント、ありがとうございます！ (2017年1月18日 1時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ファンタジー系は設定が無駄に多くついていけない所があって苦手なのですが、この話は徐々に紐が解けていってとても面白いです！！更新楽しみにしてます！！ (2017年1月17日 19時) (レス) id: c4ea085584 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - キャロルさん» 気になって頂けたなら書き直したかいがありました(*^^*)ありがとうございます！ (2017年1月14日 19時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2016年3月28日 22時
