＊ ページ15
「やっべ、飲みもん切らした〜」
「買ってくれば？」
「そうする。先食べてて」
「はいよ」
友達に一言断ってから昼食の席をあとにする。さて、どうしようか。きっと購買の近くの自販機は混んでいるだろうから、別のところにしよう。
そう決めて人通りの少ない場所を選んで自販機へ向かうと、今私の中で最も流行している国見英がいた。ラッキー、眼福、と心の中でガッツポーズをしていると、目があった。
「あ、金田一の幼馴染の…A、とかって言ったっけ」
「うん。国見だよね、話は聞いてるよ」
「ふーん。話してる、じゃなくて？」
ぎくりと肩が跳ねた。勇太郎の奴、いらんこと喋ったな。
「な、なんのことかね」
「変な喋り方…まあ別にいいけど。あんたも飲みもん買いにきたの」
「あ、うん。ちょっと切らしちゃって」
そう言うと彼は「へえ」と興味なさそうにあくびを一つした。おもむろに財布から紙切れと小銭を出して、もう一本飲み物を買うと、紙切れと飲み物を私に押し付けた。
「え」
「やる。飲みもん。と、連絡先」
それだけ言って立ち去ろうとした国見の背中に、「な、なんで」と上ずった声で疑問を投げかける。
立ち止まった彼は、振り返って少し微笑んだ。
「金田一に俺のこと話すんなら、直接でいいと思わない？ …それに、俺もあんたと話してみたかった」
それじゃあ、と今度こそ立ち去った彼の耳が、赤くなっていることに気がついた。なんだかドキドキする。心臓を鷲掴みにされたような、そんな感じ。やはり、国見英はかわいくてかっこいい。
これからどうなるかは私達次第。新しく追加した友達の欄に、国見の文字が踊った。
▼ かわいい男 ✕ 進む女
キールに溺れる #及川→←スーパーキューティー アンド #国見
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志織(プロフ) - mokyunさん» コメントありがとうございます！松川くんのこのお話はいつか書きたいなーと思っていたのですが、せっかくなので短編集に載せました。お気に召して頂けたようで良かったです！他のキャラも色々書こうと思っていますので、ぜひ楽しんでいってください！ (2018年1月22日 21時) (
レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
mokyun(プロフ) - どのお話もステキですが、特に大人のまっつん。いいですね… 外堀から埋めていって、逃げられないね？どうする？っみたいな!? 他にどんな男子がでてくるのか楽しみです! (2018年1月22日 2時) (レス) id: e5a3b0aa31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2018年1月14日 2時
