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「聞いてくれ花巻」


教室の入り口から一直線に俺のもとへやって来た松川は、ポッキーを食べながら俺の隣の席に座った。


「なによ」
「佐原サンに会った」


まじで!? と思わず大きな声を発して立ち上がる。すると一気に教室中から視線が集まったのを感じて、何事もなかったかのように座った。


「何やってんだお前」
「いやだって驚くだろ。あの佐原サンだぞ? 矢巾が佐原佐原うるせえくせに写真すら見せてくれないアレだろ? 俺達が惚れたら嫌だから応援にもこさせないって言ってたな。 ガードかてえよ佐原サン」
「ガード堅いの佐原サンじゃなくて矢巾な」
「で、どうだった」


あの面食いで年上好きな矢巾のことだ。相手はさぞ美人だろうと踏んでいたが、松川はキリッとした表情で意外な言葉を口にした。


「ちょう普通」
「嘘だ」
「いやマジだって。なんつーの? 物静かそうなかんじ。いい子っぽそう、だけど色気とか綺麗ってかんじじゃねぇな」


まじで。予想が外れていたことに驚きを隠せなかった。
見た目のかわいい子、きれいな子、たくさんいる。けどその中から選ばずに佐原サンを選んだってことは、相当その子に惚れ込んでいるんだろう。確か結婚したいとか言ってた気がする。話が飛躍しすぎだろ。まあ応援はするけど(面白そうだから)。


「俺矢巾のこと応援するわ」
「まじ? まあ俺はシゲラーだからもちろんそのつもりだけど」
「なにシゲラーて」
「矢巾推しの総称みてーな」
「まじかよお前が矢巾推しとか初耳だわ」
「まあシゲラーになったのはたった今だからな」
「適当か」


素の顔でアホみたいな冗談をかます松川。二時間後には「俺シゲラーだから」と言ったことを忘れているんだろうなーなんて思いながら、まだ見ぬ佐原サンに想いを馳せてみた。
 
 
 

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志織(プロフ) - あるてぃめっつさん» 矢巾くんの作品まで読んでいただけて嬉しいです…!思わずきゅんとできるような作品を作っていきたいと思っております。ご読了ありがとうございました! (2017年12月4日 22時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
あるてぃめっつ(プロフ) - すごく今更感がありますがこちらも読みました…!矢巾くんいけめんすぎてしんどいです…(笑)これからもあなた様の作品できゅんきゅんさせてもらいます。 (2017年12月4日 21時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 蜜柑の皮。さん» 閲覧ありがとうございます!私も矢巾くんを推しているのですが、あまりに小説が少ないので今回書こうと決心致しました(笑)かっこよく書けているのなら幸いです。応援ありがとうございます! (2017年10月23日 23時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!作品に出会えてよかった、そんな風に言って頂けるなんて書き手冥利に尽きます…!閲覧ありがとうございました! (2017年10月23日 23時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の皮。(プロフ) - 矢巾くんの小説って珍しいですね!私は密かに国見くんと赤葦などを推しつつ、矢巾くんも推してたのでめちゃくちゃ嬉しいです!これからも応援してます!矢巾くんのかっこよさがやばい… (2017年10月23日 22時) (レス) id: 37e5c1fab4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志織 | 作成日時:2017年10月23日 8時

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