ヒャクニジュウシ、衝突。 ページ28
「綴、お前なんで小さいんだ」
「え……」
「いや直球すぎ。綴は今、呪いをかけられて子供に戻ってるわけ。一時的にね」
「なるほど……？ えっと、アンタ誰っすか」
「俺のお友達やで、飛雄くん」
オトモダチ……？ と影山はスナと男を交互に見遣ったが、それよりも、と思考を切り替えて、綴へと一直線に向かっていく。
スナの後ろにいる綴に目線を合わせて、ちょいちょいと手招きをすると彼女は戸惑いながらスナを見上げた。するとスナが彼女の背をぽんと叩いたので、問題ないと判断して影山の元へ歩み寄った。
「オイ、なんでや」
「影山クンは知り合いっぽいから」
男は不満げに唇を尖らせた。
一方で、影山はすぐさま綴を抱き上げる。
「綴、帰るぞ。ジジョーはよくわかんねぇけど、とりあえず清水さん達のとこ行って、元に戻してもらおう」
そんで、帰ろう。
影山の「帰ろう」、が、どこにあるのかはわからないけれど、綴は不思議とこの人物なら信用できると思った。もちろん彼も見るからに連れさらわれたようだし、何をしたいのか明確ではないスナ達と帰ることを目的としている影山なら、信じられるのは後者だろう。しかしそういった理屈抜きで、綴は影山ならと考えた。スナには世話になったので悪いような気もするが、彼女にとって帰るということは、親戚中をたらい回しにされる中で一番に優先しなくてはいけないことだった。誘拐だとか家出だとかなんでもいいが、引き取ったくせにちゃんと面倒を見ていなかったのだろうなどと中傷じみたことを言われることは、何より居候先の家に迷惑になるからだ。
「いやいや、なんのために連れてきたと思ってんの。君らの腕の痣、今日のためのものなんだから。だよね？」
「……おん。そういう事やから飛雄くん、こっちに――」
「嫌です。早く帰さないと面倒なことになりかねないです。コイツ、元の場所に帰します」
笑っていた男の顔から表情が抜け落ちて、真顔になる。――怒りをあらわにするより、余程恐ろしいように思えた。
「……ええか？ お前ら人間が神の使徒に歯向かうんは御法度や。従って、跪いて、受け入れろ」
「嫌です。俺達には選択肢が与えられたはずです。あくまでも選ぶのは俺達だ」
「人間風情が偉そうにするなよ……」
スナが呆れたように呟いた。嫌な雰囲気にすっかり青ざめてしまった綴は、手が震えていることに気づいて、ぎゅっと拳を握った。
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藤猫 - 終わりなんですか？！続きがすっごい気になるんです！どうか続きを書いてくださいませんか？！楽しみに待ってます！！ (2021年8月9日 14時) (
レス) id: 8264cf3ee7 (このIDを非表示/違反報告)
ノウ - 終わりですか?! 続きがすごく気になります！ (2021年6月30日 1時) (レス) id: 208a367e6d (このIDを非表示/違反報告)
織叶(プロフ) - 志織さん» そうだったんですね…！！志織さんの丁寧な描写が大好きなので、続くということが知れてほんとうにうれしいです！！いつまでも待てます！！これからもずっとずっと応援させてください！！！ (2021年1月30日 8時) (レス) id: bc2d105faa (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 織叶さん» お付き合い下さると嬉しいです。いつも私の作品を見てくださってありがとうございます！(*´∀｀*) (2021年1月30日 2時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 織叶さん» 加筆修正したお話がたまったらこちらにサイト先のリンクを貼ろうかなと考えておりますが、暫くは手直しした話を再アップという形になるかなと思います。長い間、待っていて下さってありがとうございます。先の展開へ進むのはお待たせしてしまいますが、宜しければ (2021年1月30日 2時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2017年8月22日 20時
