8.The Violent Urge to Kill with "Obsessed Detective" ページ9
『激烈な殺意と取りつかれた刑事』
儀式が始まってからさほど絶たぬうちに犠牲者の一人，デイビッド・タップが帰ってきた。
これだけ早く一人だけ，ということは彼は死んだのだろう。
「やぁおかえりなさい、刑事」
すかさず声をかけるところはさすがリーダーと言ったところか、ドワイトは戸惑いながらも必死に死んで帰ってきた者を労った。
あぁただいま、という彼は少し眉間にしわを寄せ静かに黙りこくっていた。
様子を変に思ったビルはそんな彼に思わず何かあったのか、を尋ねてみた。
「あぁ…始まってから発電機を1つ点け終わる前に俺は殺されたんだが……」
1つも修理し終えないうちに処刑されて帰ってきた彼の言葉の続きを待つ。
自分の死もつらいが，さほど協力しないうちに仲間をあの空間に残してきたことも酷くつらい。
それでも彼が今纏っている雰囲気はいつもとは違った妙な深刻さがあった。
「相手はシェイプだった。アイツはいつだって俺たちのことなんて見てやしない。
だが今回だけは違ったんだ。俺の目を見てへし折る強さで首を掴まれた。」
その後は心臓の一突き、と一連の行動に変化はなかった。
ただ刑事の目を見て明確な殺意をはっきりと向けてきていたという。
こういったことは初めてだった。
どういう理由か知らないがただひたすら殺戮を行う殺人鬼に，意思なんてないと思っていた。
それは間違いで，なにやら抑えがたい感情に突き動かされるようにタップ刑事は殺されたのだ。
「意識が飛ぶ直前に声が聞こえたんだ、おそらくシェイプのだ」
「なんて言ってたの？」
自分の兄と言うだけあって，変貌ぶりが気になるらしいローリー。
執念の対象である自分がいないのにもかかわらず変化が起こるのはおかしいと思っているようだった。
「……かえせ、と言っていたよ」
その言葉に一同は訳が分からず顔をしかめた，Aを除いて。
シェイプ、マイケル・マイヤーズは失踪した自分を探し求めているのではないか。
一向に見つからず，儀式では怒りに身を任せ殺戮をするのではないか。
今回タップが無残に，理不尽に死んでいったのは自分のせいではないか。
Aは一人強い後悔と罪悪感に打ち震えるのだった。
その様子に気付いたタップは，Aに歩み寄り微笑んだ。
「大丈夫だ、俺が必ず変わった原因を突き止めるさ。打開策だってな」
Aはただ水が零れないように誤魔化して笑うだけだった。
『仲間と言う存在の代償』
9.The Disquieting Result with "Rugged Scrapper"→←7.A Survival Rate and Cooperation with "Focused Competitor"
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つぅさん(プロフ) - わかなさん» コメントありがとうございます！持ち上げられてもなにも出ないですよ…これからも頑張ります：） (2018年12月19日 10時) (
レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
わかな(プロフ) - 面白すぎです！つぅさん本当に文才あって、のめり込んで読んでしまいます！ (2018年12月14日 15時) (レス) id: 0e1628288f (このIDを非表示/違反報告)
つぅさん(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！殺人鬼と夢主の日常は日替わりの方では書いてありますが，このような短編の形でも書けるよう考えておきます：）ご意見ありがとうございました：） (2018年10月4日 15時) (レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 初めて拝見させて頂きました！DBDが大好きな私にはご褒美です…！とても面白かったです！夢主ちゃんと殺人鬼さんたちの日常が気になる… (2018年10月3日 21時) (レス) id: a228f8b665 (このIDを非表示/違反報告)
つぅさん(プロフ) - 凛眞さん» いえいえ，ご指摘ありがとうございました。非公式wikiではアンナですから正直なところ難しいですよね…ここではアナになりますが，どうぞよろしくお願い致します。 (2018年4月21日 21時) (レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぅさん | 作成日時：2018年4月1日 5時
