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ラックの天使のような神々しい笑みを見た

Aは大丈夫だろうと視線をノエルとアスタに移す

無論、二人は以前のこともあるので、指示待ちだ。



『二手に別れ、ラック先輩、ノエル、アスタは金色を後援。

私は魔法の特性上、先程の煙魔法の使い手と随分と相性が良いみたいだし

あちらを追うようにするよ』


その言葉に、三人はこくりと頷く。

理解しているようなのでAは説明を続ける。



『…恐らく敵は魔導戦士実験の被験者。噂に聞く、血を血で洗う

あのダイヤモンド王国の殺し合いで残存した、穎脱の魔道士だよ』

「…そ、それって…!!」

『ノエル、怖がらなくても大丈夫。君は充分私と練習してきただろう?

信じきろなんて言わない。でももしもの場合は私が必ず助けに入るよ。』

「もしもの場合は僕達もいるよ〜!」

「そうだそうだ!!俺達もダイヤモンドのなんちゃら実験の被験者

をぶっとばーーーす!!」


仲間意識。その空気は正に物腰柔らかなAから発生したものであった。

本人曰く、なんとも思っていないらしいが。

冷めきった紅茶を飲み干すような、そんな微妙な甘さでAは

その空気を飲み干す。


『そして、敵の魔法属性は二つある』

「ふ、二つ?!」

『うん。何の属性かは分からないけれど

この甚だしい程の魔力量は人体実験の賜物だね』

「属性が二つでもなんでも、強ければいいよね〜」


ノエルはよしと意気込む二人を見つめ、呆れてモノが言えないのか

何言ってんのよ〜!とあわわわと口を半開きにする。

Aはそれすらも察しがついているのか、目を閉じて

ふっと笑う。



『(案ずるより生むが易し…だ。

今君達が意識すべきは、目的達成の駒にナショナリストを必須る事だ。

さて




___綯い交じる団の力、見せつけてやろう)』



黒の暴牛、そこは弱者が集った、ならず者集団などではない。

世界の悪運に惑わされつつも生きることを諦めない者が集う

優しさの塊の、そんなたまゆらの騎士団である。

叶わぬ願い事すらも個々ではありありとした、実現可能に成る可能性が高い。







正解であった。







夜明けを唄う、悪くは無いだろう。

天空を舞う鷲と成る、悪くは無いだろう。

劫火の秩序の実現、悪くは無いだろう。



けれども、目先の感情論すら道具としてしまう。

この団が私は気に入ってしまったやもしれない。









謎多き少女の、そんな独り語り____








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作者名:みるく | 作成日時:2022年1月5日 18時

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