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いつも優しい彼女が、真剣な表情で前を向いた。
ノエルもアスタも分かったようだ。
ラックが戦っているのが、どれ程に強いのか。
そしてラックが今どのような状態なのか。
「………A」
『ノエル、私から離れては行けないよ。
私とアスタがもしもの場合は何がなんでも逃げるんだ』
「でも…!!!」
ノエルの騒ぐ口元をAは人差し指でふにっと抑える。
女の子か男の子か未だにどちらかAの事は知らないが
どちらであっても、ノエルはドキドキしてしまった。
「開けるぞ…A」
『…気をつけるんだよ』
アスタはこくりと頷き、豪快に拳でぶち開ける。
それをヤミ団長に重ねたのはここだけの秘密である。
「ラックパイセン!!」
目の前に現れたのは、なにやら煙で巻かれ
身動きが取れていないラック。
剥き出しになった笑っていない笑みに、見開かれた目は
明らかに常軌を逸していた。
「こりゃまた威勢の言イイのが来たねえ…
……なんだい君は」
♣︎ ♣︎ ♣︎
「もうそろそろですわ!」
ミモザの植物魔法とユノの風魔法を上手く使い
宝物殿までへとに金色は辿り着けた。
「魔宮とはこんなものか。大した事なかったな」
「どうやって入るんでしょう?」
「黒の暴牛の方達はまだのようですね」
「当たり前だ。ヤツらが我々より早いわけがないだろう」
当たり前が如く見下す発言のクラウスに
ユノは無表情ながらも、不機嫌な様子だった。
それもそうだろう、十五年共に過ごして来たライバルが
同じ団の先輩に馬鹿にされているのだから。
「………!!」
だからなのか。気が付かなかった。
これから対峙しなければならない
強敵に。
「な…ミモザ…!!」
「(罠魔法じゃない、これは…!!)」
「何者だ…!!」
クラウスが心配と怒りで声を張り上げる。
そして煙の中から姿を現したのは、
「誰だ…俺の道にいるのは」
血の巡りが無いかのように不気味に真っ白な顔
感情を感ぜられない一点ばかりを見つめる目
人情味の欠片も無い機械音のように紡がれた
声。
金色を覆い尽くす闇にはちとばかり大きすぎた。
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楓(プロフ) - 箒が放棄になってます! (2022年9月30日 0時) (レス) @page29 id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
来世はメロンパン(プロフ) - サヤさん» ですです!!名前出していいのかわかんなくて、他作品って描きましたが…気がついてくれて嬉しいです!! (2022年1月5日 1時) (レス) id: a6fb8de70d (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - もしかして夢主ちゃんの参考キャラって文ス○の太宰さんだったりしますか...? (2022年1月4日 23時) (レス) @page3 id: 6b856fac04 (このIDを非表示/違反報告)
来世はメロンパン(プロフ) - マナさん» ブラッククローバーですか?私が答えられる範囲であれば、大丈夫ですよ(´˘`*) (2021年12月31日 18時) (レス) id: a6fb8de70d (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ブラッククローバーについて聞きたいのですが… (2021年12月31日 18時) (レス) @page41 id: ccdfacfdab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2021年12月22日 3時