検索窓
今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:70,151 hit

ページ40




「それもそうだね」

『不満でしょうが、はいこれ』

「?」


Aが何処から取り出したのか

中々に高く希少な魔道具をユリウスの手を取ってその上に持たせた。

あまりに自然に溶け込んで動いた物だから

ユリウスはびくっとしてしまう。


「……知識が潤沢だね、君は」

『まぁ敵じゃないんですから、そんなに怯えないで下さいよ。

光も闇も、元を辿れば同じ何かなんですから』

「…魚は家禽類かな」

『そうですね、養殖場の用意には時間が掛かりました』

「……わかった」


ユリウスは何となくだが、Aが只者ではない

と理解し、その鬼才な頭脳を認めたようで

うんうんと頷いて、自室へと歩いた。


Aは魔法帝の頭はまあまあだなと

評価しながらも、やはり経験力は凄まじく

あのAでさえ話すのは少しばかり緊張した。

バレないようにはしたが。


『(まさか、魔法帝に会うなんて…)』


どれだけ魔導書を偽装しようがバレてしまうし

よしんば暴かれたとて、困る事は毛ほどもないのだが

魔法帝と言う立場とその力量は己よりも遥かに満ずる訳であって

予想外が起る予想が無限に立てられた為

Aは偽装を自ら暴いたのである。それは


後に伝える国の反逆者達(白夜の魔眼)の情報にも


大いに影響したから、その二つであった。


『(さて、駒の彼はどうかな)』


耳になにやら魔法を発動させ、Aは

マグナと尋問しわざと逃がしたあの下民の彼

と彼を動かした国の反逆者ノトップの会話を

盗聴する。


その様子は傍から見れば敵の逃亡者にすら見えた。

Aは外に置かせていた放棄を足でトンっと軽やかに取り

乗ろうとした。が、ゴツイ手に阻止される事になる。


「深夜三時なんですけど?」

『団長、どうかしました?』

「いや、質問を質問で返さないで。ヤミさん困る」

『アラサーにしては可愛い語彙使いますね』


Aは以外にも団員思いなんだなと思いながら

放棄を取り返そうとしたが、ヤミの身体能力に

かなうことはなく、スっと避けられてしまった。


『何がしたいんでしょう』

「お前、今日一日任務ばっかだろ」

『新人研修に疲れは必要ですよ』

「疲れてんなら…よっと……運んでやるよ」

『………え』



Aのちっこい体を、ヤミは軽い軽いと笑いながら

横抱きをした。その顔は少し初心で赤くなってもいた。






・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
144人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 箒が放棄になってます! (2022年9月30日 0時) (レス) @page29 id: ec6c109e68 (このIDを非表示/違反報告)
来世はメロンパン(プロフ) - サヤさん» ですです!!名前出していいのかわかんなくて、他作品って描きましたが…気がついてくれて嬉しいです!! (2022年1月5日 1時) (レス) id: a6fb8de70d (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - もしかして夢主ちゃんの参考キャラって文ス○の太宰さんだったりしますか...? (2022年1月4日 23時) (レス) @page3 id: 6b856fac04 (このIDを非表示/違反報告)
来世はメロンパン(プロフ) - マナさん» ブラッククローバーですか?私が答えられる範囲であれば、大丈夫ですよ(´˘`*) (2021年12月31日 18時) (レス) id: a6fb8de70d (このIDを非表示/違反報告)
マナ - ブラッククローバーについて聞きたいのですが… (2021年12月31日 18時) (レス) @page41 id: ccdfacfdab (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるく | 作成日時:2021年12月22日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。