歪な愛 35 ページ36
すっかり夕陽が姿を消し、暗くなった部屋で太宰は天井を仰いでいた
中也の為に、必死に頭を下げて懇願する彼女の姿を思い出す
「…中也には勿体無いくらいの、真っ直ぐで…綺麗な女の子だ」
マフィアの恋人なのに、危険を犯してまで、探偵社に訪れ、彼に尽くすその精神に、太宰は半ば呆れー…半ば魅入っていた
若し、彼女が中也に少しでも傷つけられたなら、二人の関係はどうなるのだろうか?
彼女の中也に対する想いは揺らぐのだろうか?
太宰は悪戯な笑みを浮かべた
「さァて…中也に嫌がらせでもしようかな」
探偵社から上機嫌で帰るなり、Aは早速料理を作っていた
初めて『夕飯は済ませてくる』というメェルが来たので、Aはお摘みを作っていた
明日中也が休みの為、少しお酒を飲んで気分を晴らして貰いたいと、Aは考えたのだ
それに、単純に中也と二人きりでゆっくりと過ごす時間が欲しかった
「今日は頑張って起きて待ってよう」
今夜を楽しみに、Aはそう決意したのだった
中也は重たい身体を動かして部屋へと向かっていた
玄関に着き、時計を見ると、夜中の1時
「全然Aと話せなかったな…」
名残惜しげに呟き、中也は家に入る
明かりの付いているリビングに、中也は期待し、足早に扉を開けた
すると、テーブルの上には豪華なお摘みとワインが
ソファに座ったままAの眠る姿があった
恐らく、明日が休みの為、自分の為に用意して待ってくれていたのだろう
Aの行動に、愛おしい想いが溢れてくる
「A…」
名前を呼び、Aに触れようとしたところで、外套の中の携帯電話が鳴り出した
「チッ…誰だ?」
舌打ちをし、ベランダに出て相手を確認すると、表示名は"青鯖"
声も聞きたくないが、一言文句を言ってやろうと、中也は電話に出た
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ぷひぷに - とっても面白かったです!続き楽しみにしてます! (2022年1月27日 22時) (レス) id: 512a7a8549 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます!とっても楽しんで読んで頂いたようで、とても嬉しく思います!なるほど、そうなのですね!中也さん格好ですよね!私も大好きです(笑)(*´∀`*)そこまで言って頂けるなんて…!恐縮です!ありがとうございます!続編更新頑張ります! (2017年9月21日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - もう本当に最高でした最高でした最高でしたぁぁぁー私の名前がともなので、途中にともかともをとも…?ってなって面白かったですww中也さん大好きな私にとってはASさんが神にしか見えません…続編見に行ってきます!!!! (2017年9月21日 23時) (レス) id: 63685abaf6 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 中一厨二さん» コメントありがとうございます!中也さんの愛情は無限大です(´∀`*)お褒めのお言葉光栄です!すぐに直します!ご指摘ありがとうございました! (2017年8月7日 17時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
中一厨二 - 面白いです!歪な、確かな中也の愛を感じました!(語彙力!)それと29話の赤い花の漢字が違うと思うのですが…。出来れば確認していただければと思います! (2017年8月7日 0時) (レス) id: 57ede5ac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AS | 作成日時:2017年7月5日 19時