コウフクな嘘 12 ページ13
理由もわからぬまま1日を過ごした後、Aは資料室へ足を運んだ
資料を元の場所に戻し、それから、目的の資料を探す
Aのスパイとしての仕事は、異能特務課でも知り得ないマフィアの密輸の相手、最近行った事などを、定期的に異能特務課へと知らせる事であった
目的の資料を見つけ、携帯電話で写真を撮る
心臓が五月蝿いくらいに鳴る…もしこの場面を見られれば、異能特務課のスパイといえど、何かしら罰が与えられる
全ての写真を撮り終わり、一息ついてAは資料室を後にした
そのとき、不意に肩を叩かれた
驚き、反動で振り返ると、其処にはマフィアの首領…森鴎外の姿
「ぼ、首領…」
驚き、また鳴り出した心臓を押さえるAに、森は眉を下げた
「おっと、驚かせてしまったようだね、すまない」
「ちょうど君を見かけたからね、話しかけたのだよ…最近仕事はどうだい?」
にこり、微笑まれて問われる
その笑顔に、もうスパイだと知られているような気がし…Aは笑顔を作る
「えぇ、順調です…本当に中原さんの補佐が出来るのが、光栄で、毎日が楽しいです」
中也のことを思い返し…思わず口元を緩めると、森は頷いた
「そうか…それは良かった、これからも中原くんを傍で支えてくれ」
森のその言葉に「はい」と返事をし、Aは一礼してその場を駆け出す…と
「(名字)くん」
不意に呼び止められ、Aは振り返る
「ハメを外さないように頼むよ」
一瞬、ほんの一瞬、森の真紅の瞳が鋭く細められた
その視線に射抜かれ、体温が下がるように背中に悪寒が走った
いつの間にか冷や汗が流れ…口は恐怖と緊張で乾き始めていた
Aは確信した、森が自分がスパイだということを知っているということを
そんなAに森はまた微笑むと
「気をつけて帰りなさい」
そう言い残し、その場から去っていった
Aはそのまま暫く其処から動くことが出来なかったー…
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AS(プロフ) - ピロウさん» うわわ、ありがとうございます…!ピロウさんにそう言って頂けるなんて、夢にも思っていませんでした…!もう双黒が最高なので、愛読させて頂いています!!此方こそ恐れ多いです…!もう歓喜です(泣)再びのコメント、本当に嬉しかったです!これからも頑張ります! (2017年11月10日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
ピロウ(プロフ) - 完結おめでとうございます…!お疲れ様です!最後の一文まで素敵なお話で、流石ASさんだな、と感動いたしました…。て、ていうか愛読して下さっていたんですか!?恐れ多いです…!これからもお身体に気をつけて頑張ってください! (2017年11月10日 21時) (レス) id: aafbc19e8e (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - もえさん» コメントありがとうございます!感動して頂いて嬉しいです(*´v`)矢っ張りハッピーエンドが一番ですね!ご指摘ありがとうございます!すぐに直します!これからも宜しくお願いします! (2017年11月5日 17時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - ASさんの作品は、何時も感動なお話ばかりです。二人が結ばれてよかったです……★P.S.28話の次が30に成ってます……|ω・`)チラ (2017年11月5日 17時) (レス) id: d821d2b418 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - ピロウさん» コメントありがとうございます!うわぁあ、ピロウさんですか!中也さんのヤンデレと双黒の短編集を愛読していました!私も小説を読んで本当にキュンキュンしました!沢山のお言葉、とても嬉しいです(*´∀`*)何時も素敵な作品をありがとうございます!頑張ります! (2017年8月23日 7時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AS | 作成日時:2017年6月27日 16時