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おいでませ、温泉旅行 3 ページ36

宿から歩いて数分、ガヤガヤと人が賑わう温泉街に5人は辿り着いた


「じゃあ私らはあっちを見るとするか」


ぐい、と森の腕を引っ張り、エリスは2人に笑顔で親指を立てた


戸惑う森を置いて、そんな2人に感謝した後、中也がふと口を開いた


「やっと、ふたりきりになれたな」


困ったように笑い、中也はAを見つめる


「そうだね、やっと…中也と一緒」


心から幸せそうに笑うAに、中也の心臓は跳ねる


つい中也はAの手を引っ張り、建物の影に連れた


壁にとん、と肩を押し付け、中也は恐る恐る問う


「A…悪ィ、キス、していいか?」


今キスをしないと中也はどうかなりそうだった


それ程までに、Aの存在が足りていない、まるで、充電切れの電子機器の様に


すると、驚いていたAが恥ずかしそうに言葉を紡ぐ


「私も…、中也とキスしたい」


その言葉と同時に中也はAに口付けた


一旦唇を離すも足りず、何度も何度も口付けを繰り返す


「…Aっ…悪ィ、止まん、ね」


余裕のない中也の声と表情に、Aの胸はきゅん、と疼く


暫くの後、中也は名残惜し気に唇を離した


口付けの熱さに酔いしれ、ぼうっとしていると、優しく頬を撫でられた


「…これで充電持ちそうだ、ありがとな…」


満ち足りた表情で囁くと、中也は頬に口付けを落とした



温泉街を巡っていると、お饅頭屋さんに辿り着いた


中を覗き込むなり明るい笑顔を浮かべた店主に声をかけられる


「そこの新婚さん!お饅頭食べないかい?」


その呼び方に、一気に2人の顔が赤くなる


照れて黙り込むAの肩をぐい、と引き寄せ、中也は店主に笑う


「可愛い嫁サンだろ?」


"嫁サン"その言葉にAの顔は更に真っ赤に染まる


「いやぁ、初々しくていいねぇ…俺も家内との昔の事を思い出すよ」


店主に笑いながらお饅頭を3個手渡され、その数に、2人は小首を傾げる


「それにしても…お子さんも可愛らしい嬢ちゃんだねぇ」


店主の顔に振り向くと、其処には申し訳なさそうにまゆを下げるエリスの姿があった


「え、エリス嬢?」


「ごめん…リンタロウ達とはぐれちゃって…」


2人の事を気遣ってくれているのだろう、モゴモゴと謝るエリスに、中也は言う


「もう充分楽しめましたよ、ありがとうございました…お饅頭食べましょう」


その言葉にエリスは顔を輝かせた


中也とAは店主のお子さん発言に悦に浸りながらお饅頭を食べるのだった

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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みく - こんなに心をうごかされた作品は初めてです!感動しました!もう最高すぎて苦しい!!!!! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
みりあ - 素晴らしい作品でした! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - ゆづきさん» うわわ、とっても嬉しいです!コメントありがとうございます(*´v`)亀更新ですがお付き合いいただければ幸いです! (2017年6月10日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - とても、面白かったし感動しました! (2017年6月10日 22時) (レス) id: 029d1006b7 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 花さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます(*´∀`*)なかなか更新出来ずすみません…(´・ω・`)なるべく更新するように頑張ります! (2017年6月5日 7時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2017年4月24日 17時

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