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Stray Lovers 1 ページ30

「じゃあ、行ってくるな」


「うん、いってらっしゃい」


ポンポン、と中也はAの頭に手を置いて、マンションを後にした


中也の姿が見えなくなると、Aはふとため息を吐いた


……というのも、あのキスをしてから約1週間経った訳なのだが、あの日以来、中也は何処かよそよそしくなった


Aと目が合えば、すぐに逸らし、何より、キスもハグもしなくなった


言う事を聞かないで、痴漢にあってしまったから?


それとも……あのキスが原因?


唇にそっと触れてみると、あの日の中也が鮮明に頭を巡った


思い出して、Aは顔を赤くして呟く


「……驚いたけど、嬉しかったなぁ」


何だか、関係が進んだようで


そんな思いに浸っていると、携帯電話が鳴り出した


急いで電話に出ると、久しく聞いていない声が聞こえてきた


『久しぶりじゃのぉ、A』


電話の主に、Aは顔を輝かせる


「紅葉さん、お久しぶりです!」


『ふふ、相変わらずお主は明るいのぉ……、最近中也とはどうじゃ』


突然に振られた話題に、Aは取り戻した元気をまた無くし、なんと言っていいかわからず、押し黙ってしまった


そんなAの様子を察した尾崎は、電話越しでふと微笑んだ


『A、呑みにいくかえ?』


思いがけない言葉に、Aは目を丸くする


「え……、今から、ですか?」


「ははっ、Aは面白いのぉ……Aがいいなら今からでも良いが、色々とやることがあるんじゃろう?」


そうだ、今日は休みだが、買い物をしたり、部屋の掃除をしなくてはいけない


「そう……ですね」


「じゃあ、夕方頃迎えに行くからのぉ」


「え、あ……」


尾崎はそう言うと、戸惑うAを無視して電話を切ってしまった


「切られちゃった……」


携帯電話を見て、Aは呟く


「……紅葉さん、私が元気ないの、わかったんだろうな」


尾崎の気遣いに、Aの心は温まる


大人になった今でも、尾崎はAにとって姉の様な存在だった


「紅葉さんに……相談、してみよう」


そう決意して、Aは掃除に取り掛かったのだった

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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みく - こんなに心をうごかされた作品は初めてです!感動しました!もう最高すぎて苦しい!!!!! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
みりあ - 素晴らしい作品でした! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - ゆづきさん» うわわ、とっても嬉しいです!コメントありがとうございます(*´v`)亀更新ですがお付き合いいただければ幸いです! (2017年6月10日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - とても、面白かったし感動しました! (2017年6月10日 22時) (レス) id: 029d1006b7 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 花さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます(*´∀`*)なかなか更新出来ずすみません…(´・ω・`)なるべく更新するように頑張ります! (2017年6月5日 7時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2017年4月24日 17時

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