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伝え愛 14 ページ15

「っ……や、離して!」


近づく太宰の顔に、Aは抵抗するが、ビクともしない


断固拒否をするが、それも太宰に触れられているため、意味を成さず


(私、ファーストキス奪われちゃうの……?)


そう考えると、Aの瞳には涙が浮かんだ


もう唇が触れる……という所で、太宰はくすくすと笑い出し、Aから手を離した


「……え?」


「あっはっはっ!面白いなぁ、Aちゃんってば、とってもからかいがいがある!」


大笑いする太宰に向かって、Aは手を向けた


「最低!」


もちろん、太宰が断固拒否で洗濯機に叩きつけられたのは、言うまでもない



「痛いなぁ……Aちゃんってば、容赦しないんだから」

パジャマの上から背中を擦る太宰の目の前に、Aは麻婆豆腐を置く


「え、私のなんでこんな色してるの」


Aのものより、太宰の麻婆豆腐の方が色が赤黒いのだ


ふためく太宰を無視して、Aは手を合わせる


「頂きます」


「い、頂きます……」


口に運ぶと、言いようのない辛さが口内を支配した


口を押さえる太宰に、Aは態とらしくいう


「太宰のだけ鷹の爪入れ過ぎちゃったなぁ」


「容赦ない……」


太宰は喉を押さえて水を取りに行った




「ねー、ごめんね」


水を飲み、すっかり喉が生き返った太宰は、皿洗いをするAの周りをうろちょろする


「少しからかっただけなのだよ」


Aは先程の太宰に対しての怒りがまだ晴れていなかった


彷徨く太宰がうっとおしくて、Aはため息をついて太宰の方を向いた


「次やったら許さない」


「えー、でも、勝手に洗面所に入っきたAちゃんが悪いんだよ?」


許したのに即そんなことを言う太宰に言い返そうとした所で、ふわり、頭に手が置かれた


「大丈夫だよ、信じて、必ず返すから」


大人びた笑みを浮かべる太宰の言葉に、偽りは感じられず、Aは黙り込んだ


「この2日間ご飯作ってくれたAちゃんにはケーキかあるよー!紅茶入れるから、待ってて」


ちゃぶ台に促され、Aはちょこんと座った


「さぁどうぞ」


出された紅茶を飲むと、いい香りがした


ケーキを口に運ぶと、口に甘さが広がる


「美味しい……!」


目を輝かせて食べ続けていると、次第に瞼が重くなってきた


「あれ、なんか眠……」


欠伸をすると、太宰は子守唄のように囁いた


「いいよ……眠いなら寝て」


夢の世界に誘われるように、Aの意識は遠ざかっていった

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
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みく - こんなに心をうごかされた作品は初めてです!感動しました!もう最高すぎて苦しい!!!!! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
みりあ - 素晴らしい作品でした! (2019年2月15日 21時) (レス) id: 672796e13d (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - ゆづきさん» うわわ、とっても嬉しいです!コメントありがとうございます(*´v`)亀更新ですがお付き合いいただければ幸いです! (2017年6月10日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - とても、面白かったし感動しました! (2017年6月10日 22時) (レス) id: 029d1006b7 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 花さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます(*´∀`*)なかなか更新出来ずすみません…(´・ω・`)なるべく更新するように頑張ります! (2017年6月5日 7時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2017年4月24日 17時

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