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秘密の我儘 ページ11

全員に茶を出した後、ホッと一息着いていると、乱歩からの呼びかけがあった


「A〜」


チョイチョイと、手招きされ、近づくと、椅子に座っていた乱歩はストッと立ち上がった


「社長に買い出し頼まれたんだけど、僕事件の以来が今しがた入っちゃったから、行ってきてくんない?」


乱歩の手には、ヒラヒラと揺さぶられる買い物リストがあった


「お買い物ですか?いいですよ、行ってきます」


「ありがとー」


乱歩は口に飴玉を放り込むと、そのままさっさと行ってしまった


「じゃあ買い出しに…」


必要な物を持ち、出ようとすると、仕事をしていた国木田が行成立ち上がった


「国木田さん?」


「買い出しに行くのか、お前1人だと重かろう、着いていく」


「えっ」


夢のような発言に、Aが声を漏らすと、国木田は「先に行っているぞ」と出てしまった






(うそ、えっ、国木田さんとお買い物……!?)






思ってもみなかった真逆の展開に、Aは心の中で舞い踊る


「あっ、国木田さん!」


後を追って飛び出して行ったAを、太宰はじっと見つめていた









「…」


沈黙が場を包む


騒がしい街中にはそぐわない雰囲気だ


少し前を歩く国木田の大きな背中を、Aは盗み見るようにチラッと見上げた



(────国木田さんが、着いてきてくれるなんて)



自分の理想であった、国木田さんと2人で歩く、という状況が実現している


嬉しくてたまらない、けれど、1つ理想と欠けているのは









貴方の後ろじやなくて、隣を歩きたい、なんて我儘ですか?









後ろじゃなくて、対等に、同じところから、貴方の目に映る世界を、共有したい


けれど、それはまだ叶わない



(…今はこれでいっか)



自分に言い聞かせるように心の中で呟き、その背中を追いかけた

ぶっきらぼうの裏側→←家政婦、始めました



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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輪廻 - 前作も素晴らしい作品でしたが、今回もとっても面白くて、キュンキュンしております!( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎この小説、もう更新はなされないのでしょうか?とっても面白いので、国木田さんの言葉の続きが気になります! (2022年5月8日 8時) (レス) @page12 id: 3d9ac3cda8 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 甘党主義者さん» こんにちは!コメントありがとうございます!前作から…!とっても嬉しいです!ほのぼの恋愛を目指しているので、少しでもゆったりしつつ、きゅんきゅんして下されば幸いです!これからも頑張ります!(´∀`*) (2018年3月22日 23時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
甘党主義者(プロフ) - こんにちは、読ませていただいています! 前作から読み始めているんですけど、凄い面白いです(*^^*) これからも更新、楽しみにしています!! (2018年3月22日 8時) (レス) id: 5924d6346b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2018年3月19日 16時

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