私と一緒にいてくれた恩人【太宰治】

第202話 茅野の時間 ページ8

がっ、と殺せんせーの足元が崩れた。


勿論殺せんせーはその穴の底へ落ちてしまう。





「大好きだよ殺せんせー、


死んで」




そう言い茅野は職種で殺せんせーを攻撃しようとするが跳ねられてしまう。





追い詰められた殺せんせーは、エネルギー砲で壁を壊し、地中から脱出した。



その爆発音を聞き、教室にいた生徒が外へ出てくる。



「何……？その触手…？」


E組全員に驚きが響き渡り、みんなが困惑した。


そのみんなの思いを神崎が声に出した。



「あーあ、渾身の一撃だったのに」




「茅野さん…君は一体……」




「雪村あぐりの妹。そう言ったら分かるでしょ人殺し



まぁ、しくじっちゃったのは仕方ない、切り替えなきゃ。

明日また殺るよ殺せんせー。場所は直前に連絡する。

触手を合わせて確信したよ必ず殺れる、今の私なら」







最後にそう残し、茅野は校庭を出ていく。しばらくの間沈黙が流れた。




「っていうか…雪村あぐりって俺らの前の担任の先生じゃねーか。」



「……どっかで茅野を見た事があると思ってたんだ、その正体が磨瀬榛名。どんな役でも軽々こなした天才子役」





「本名は雪村あかり、だよね」




そこにまた沈黙が訪れた。どれが、どの茅野カエデが本物なのか、と。






シロは言った。


発狂物の触手の激痛にも汗ひとつかかず1年間笑って過ごした精神力。


いくつもの名前と顔を使い分け一切の殺意を悟らせなかった演技力。


茅野カエデは、殺し屋の素質はE組でダンドツだと。

第203話 お話→←第201話 嵐の時間

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す