【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ6)

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僕が泣いたときページ6

「しかし、君は器用だね……。僕らとは今日初めて会ったばかりだというのに、どうしてそんなストーリーを頭の中で組み立てられるのやら。ユウミさんとのラブシーンだって、わざわざ色々………」

うああああああ！！
そんな事までうわ言から分かったの？！

嫌だーー！！
それ以上言うのは止めてーーーっ！
僕も忘れたいんだから！！

「見かけより前頭葉が発達しているんだろう。」
リーオックさんはさらりと失礼な事を言う。
「そうだな、初めのは頂けないが、二つ目の方は良かった。」
「そうかい？君も一つ目の夢を楽しんでいたように見えたけど？」
コノハヅキさんはニヤニヤとした。

え……人が悪夢を見て苦しんでいるのに、それを楽しんでいたなんて………二人とも、趣味悪……。
殺し屋だから当然かも知れないけどね！

とにかく酷いっ！
なんで起こしてくれなかったんだよーーーっ！！

穴があったら入りたいぐらいに恥ずかしくなり、ベットの上で身悶えしている僕を他所に、「楽しんでた？一つ目の夢を？俺が？」とリーオックさんは眉をひそめた。

コノハヅキさんはクスリと笑った。
「そうだよ。リーハ君が『リ、リーオックさんまで？！そんな……！！コノハヅキさん………酷いよ………。』って泣き出した時、君の目がちょっときらきらしてたからね。しかも、リンゴを持って来たのはその後じゃないか。違うとは言わせな……」
ところが、コノハヅキさんが最後まで言い終わらない内に、リーオックさんはリンゴに刺さっていた筆を引き抜いて、いきなりコノハヅキさんに投げつけた。

けれどもコノハヅキさんは慌てず騒がず、さっきのキャンバスを顔の前にかざした。
筆は「ドスッ」と嫌な音を立てて突き刺さった。

「照れなくても良いのに。」
「照れてねぇ！」
でもリーオックさんはそっぽを向いている。

て、照れてるの？！
え……僕が泣いたのがそんなに嬉しかったの？！

僕がポカンと口を開けていると、「いやいや、驚く事じゃないよ。」と、コノハヅキさんは言った。

「僕だって、君が『コノハヅキさんは……優しい人だったのに……！』と言った時は、嬉しかったよ。」
コノハヅキさんは僕の顔を見てニッコリ笑った。
「ま、残念ながら僕はかなりの悪党だがね。」

いや、それ笑顔で言う事じゃない！！
しかも、夢と被るようなセリフを言わないでよ！
怖いよ！

「嬉しかったから、せめて君の癒しになる事をしようと思って、絵を描き始めたんだけど……。」