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優しいユウミさん ページ25

もうメッチャクチャだ。
朝からなんなんだよ!

僕は、リーオックさんがコノハヅキさんに気を取られている隙を見て2号室から逃げ出した。
ほうほうの体で部屋に戻ると、僕の机の上には人形のマリーがちょこんと座っていた。
勘弁してよ………。

僕は頭痛も酷かったし、マリーを手で机からどかすのはどうしてもやりたくなかったから、そのままベットに倒れ込み、隣の喧騒が聞こえないように深く毛布を被った。

ユウミさんは食事の時間の度に僕を呼びに来てくれたけど、元々食欲もあんまり無かったので、断った。

物凄く不機嫌なリーオックさんと、それを知っていて逆撫でするコノハヅキさんと一緒にご飯を食べるなんて、ジサツ行為も良いところだ。
絶対にまた初日のように、ナイフの舞が始まるに決まっている。


そのまま僕は次の日まで眠ってしまうつもりだった。しかし夜中になると、だんだんひもじくなって来たのですっかり困った。
僕が布団の中で溜め息を漏らした時……。

突然小さな音で「トン、トン」と3号室の扉がノックされた。
扉を開けると、そこに立っていたのはユウミさんだった。両手には、小さな鍋を乗せたお盆を持っている。
「リーハさん、こんな時間にすみません……。お加減はどうですか?」

なんとユウミさんは、僕の事を心配して、更にお腹が空くだろうという事を見越して、オートミールのお粥を作って持ってきてくれたのだ。
「ユウミさん……ありがとうございます……。」
「いえいえ、これも私の仕事の内ですから。あ、お皿は明日、下に持って来てくだされば大丈夫ですよ!お体の為にも、ゆっくり休んでくださいね。」
「は、はい!」
「お大事にしてくださいね。」
廊下のオレンジ色の灯りの下に立つユウミさんは、髪や瞳にその光を踊らせて、ふわっと微笑んだ。


ああ、なんて優しく綺麗な人だろう、ユウミさんは……。
ユウミさんが残したほんのりと温かい器を両手で包み込むと、僕は心からホッとした気分になった。

思えば僕が調子を崩しているこの一週間、ユウミさんは毎日必ずこうして、僕が食べる食べないに関わらず……専用のご飯を作っていてくれたのだ。
本当にありがたい…….。

今日のお粥もやっぱり、ユウミさんの心がこもったとても優しい味だった。
ふわふわのかき卵や、水分をたっぷりと吸って膨らんだオートミールのプチプチとした食感がとても嬉しい。

サンクチュアリの良い所→←Beautiful morning!



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設定タグ:恋愛 , 冒険 , 殺し屋   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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冷兎 - え、?吹っ飛んだの?ピンク頭のモブくん (2021年1月29日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» そうだね!ユウミさんがいなくなったと思って心が折れそうになったリーハだけども、大丈夫、立ち上がれました。さあ、これからどうなるのでしょう( ̄∇ ̄) (2021年1月21日 0時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - モリアーティ教授さん» リンゴを使ったのは、リンゴが深い意味や歴史を持つ果物だったからなので、そんなイギリス民謡があったとは知りませんでした。「恋人にリンゴを」って、かわいい名前ですね。調べてみたいと思います。次回も楽しみにしていてくださいね! (2021年1月21日 0時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - モリアーティ教授さん» 思わず「ひゃああ!」と声を上げてしまいました!ありがとうございます!文書表現が向上しているなどと言って頂けるなんて……舞い上がりすぎて、空から落ちて来なくなるかもしれません。これからも頑張ります! (2021年1月21日 0時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - ワトスンさん» コメントをありがとうございます!リーハもようやく自分の気持ちのままに行動する事が出来ましたね。今までは読者の皆さんに歯痒い思いをさせて来たので頑張って欲しいところですね。あの二人に負けるな!と声援を送り続けてあげてください! (2021年1月20日 23時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio  
作成日時:2020年11月13日 12時

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