Beautiful morning! ページ25
それから、色々な事が目まぐるしく起こった。
リーオックさんはもう一度「何故だーーーっ!」と叫び、左手で自分の黒髪を掻き回しながら、右手で傍のデスクの引き出しを乱暴に開け、濃い青色の銃を取り出し、コノハヅキさんの部屋側の壁に向かっていきなり射撃を始めた。
不思議な事に銃声は全くと言っていいほど聞こえなかったけど……。
一瞬後には、壁に「Y・」という形の弾痕があった。
僕が絶句していると、リーオックさんは次の一瞬で空になった弾倉を落とし……新しいものを装填し、床に落ちた空の弾倉が「カランカランカラン」とまだ転がっているその一瞬で、「B」の文字を描いた。
瞬く間に壁には弾痕で「Y・B」という、誰かの………いや、これはどう考えても……
つまり、そういう事か……
僕がリーオックさんの言っていた事を朧げに理解したその時、突然2号室の扉がバーンと派手に大きく開いた。
「なんだ!朝から荒れているなと思ったら……リーオックはユウミさんにフラれたんだね?!」
……これほど「満面の笑み」という表現が似合う人を、僕は見た事がない。
思いっ切りリーオックさんの地雷を踏み抜いて登場したコノハヅキさんは、まさしく顔中で笑っていた。
「フラれたんじゃねぇ!俺の意図がユウミさんに伝わらなかっただけだ!」
当たり前だけど、リーオックさんは烈火の如く怒った。
けれども、ワザとなんだろう……
コノハヅキさんは「火に油」を超えて、火にガソリンを注いでダイナマイトを仕掛けるような事を言った。
「そりゃあね、ユウミさんは恋の駆け引きが出来る人じゃないから、やんわりと断ったんじゃなくて、本当に君の意図に気が付かなかったんだろうさ!
だけど、それって……あはは、ユウミさんは君にこれっぽっちも惹かれていないって事だよ!」
「うるさい、黙れ、くたばれ、消えろ!!!」
リーオックさんはスクッと立ち上がり、コノハヅキさんに向け椅子を蹴飛ばした。
僕は慌てて床に這いつくばった。
椅子は僕の頭上30cmを、物凄い勢いで飛んで行った。
僕は死ぬかと思ったけど、コノハヅキさんはむしろ楽しそうに「
「天は僕の味方だ!ライバルが皆勝手に脱落してくれるなんて……あぁ、なんて素晴らしい一日なんだろう!」
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作者名:木の葉月&シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年11月13日 12時