【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ15)

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それからページ15

それからの事は、はっきり覚えていない。

「どこまでも気色悪い奴だなお前は！」と言いながら、リーオックさんが銃の引き金を引いたような…引かなかったような……

「皆さーん！ご飯ですよー♪」と言いながらユウミさんが現れたような……

そう言えば、ユウミさんが僕の額を触って悲鳴を上げたような気もする……

とにかくあの後、僕の頭と体は再び限界を迎えた。
夕食を食べに下へ降りることさえ出来なかったのだ。

もちろん、原因はリーオックさんとコノハヅキさんだ。

僕は決して病弱な方ではないから、普段なら風邪を引いても半日寝込めば全快していたのに、今回ばかりはそうもいかなかった。

僕はそれから三日間も熱にうなされて過ごした。熱が引いても、なかなか元気と食欲は戻らなかった。

何故かって？
二人が戦うのを止めてくれなかったからだ。

毎日サンクチュアリには、ナイフに銃弾に毒筆が飛び交っているし……
いつの間に直ったのか、人形のマリーが徘徊しているし……

僕はずっとヒヤヒヤし通しで、全く休めなかったんだ！

……というわけで、熱が引いてから元の調子になるまでには、また三日かかった。

そう、今朝まで。

僕が久しぶりにスッキリと目覚め、もうふらつかない体に密かに歓喜しながら居間へ降りて行くと、そこには絵を描いているコノハヅキさんがいた。

「おはよう。もう体は良いのかい？」
コノハヅキさんは僕の足音を聞きつけると、すぐに振り返った。
「お、おはようございます……。もう大丈夫です。」
「そっか、でも病み上がりだから無理せずにね。」
コノハヅキさんはそう言って目を細めた。

普通にしていると、すごく優しそうな人に見えるんだよね、コノハヅキさんは。
「はい、ありがとうございます。」と答えながら、僕は内心ため息をついていた。

なんでコノハヅキさんとリーオックさんは、サンクチュアリにバッティングしちゃったんだろうなぁ。

どっちか一人だけなら、僕はきっと毎日を楽しく過ごせたはずなのに。

僕がソファに座ると、玄関の扉が開く音がした。
昼食の買い出しにでも行くのだろうか。
今日も綺麗なユウミさんが、軽やかに通りを歩いて行く所が窓から見えた。

ああ、外はとても良い天気。
日向は暖かいし、そよ風が気持ちいい。

リーオックさんがここにいない所為だと思うけど、今のサンクチュアリは平穏そのものだ。

僕はテーブルの上にあったポットからカップへお茶を注ぎ、そっとコノハヅキさんの絵を見た。