【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ11)

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フランス人形、再びページ11

頭がガンガンとまた痛くなって来た。
僕の熱は下がるどころか、上がっているんじゃないだろうか。

リーオックさんはウサギ達に未練があるのか、なかなか捨ててくれないから恐ろしい。

二人とも…もう僕の看病なんかしようとしなくて良いから、今すぐ部屋から出て行ってくれないかな……！
ありがた迷惑にもほどがあるでしょ！
毒リンゴ食べて死ぬなんて嫌だよ！

リーオックさんは、眉間に皺をよせて唸るように言った。
「コノハヅキ……無駄にしやがって……！」
それを聞いたコノハヅキさんも、リーオックさんとそっくりな表情をした。
「君だって、僕の絵をメチャメチャにしたじゃないか。お互い様だよ。」

二人は睨み合う。
それからゆっくりと立ち上がった。

あんたらバカかーーーーー！！！！

もーーう嫌だ！！
なんで毎回僕が巻き込まれる流れになるんだよ？！
これじゃあ、リンゴ食べなくても死ぬじゃん！
とばっちり受けて！！

惨めで惨めで、気がつくと僕の目からは涙がドバッと溢れ出ていた。

こんなつもりで越して来たんじゃないのに！！
神様、おじいちゃん！！なんとかしてよーーっ！

その時だった。

立ち上がったリーオックさんのすぐ後ろに、突然、あの怖い……僕を襲って来たフランス人形がゆらりと現れたのだ。
僕は思わず総毛立った。

リーオックさんはきっと気づいていないのだろう。
さっきリンゴの皮を剥いていたナイフを持ったまま、微動だにしない。

「…う、うし！あ、あ、リ、う、し…に、にっ……！」
僕は何とか「後ろの人形に気をつけて！」と言おうとしたけれど、舌がもつれて言葉にならなかった。
その前に、ちゃんと声が出ていたかどうかすら怪しい。

リーオックさんは全く振り返ろうとせず、無防備な背中を人形に晒している。

と、そこで僕は気づいた。

そうだ、コノハヅキさんにはあの人形が見えているはずだ！リーオックさんの向かいにいるんだから！
良かった、なんとかしてくれるよね、コノハヅキさん！

僕は期待を込めてコノハヅキさんを見た。

けど……。

コノハヅキさんは笑顔だった。
かつ、ご機嫌だった。
どう見てもこの状況を楽しんでいる。

そっか、もういい加減学ぼうよ、僕！
この二人に期待する方がバカだって！

ああ、もう神様ぁ……。

絶望の一歩手前にいる僕は、震える指を組み合わせ、人形が何もせずに……また消えてくれる事を祈った。

お願いだからもうこれ以上、事を荒立たないでくれ！僕を苦しめないでくれ！と。