【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ18)

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最悪の事態ページ18

最悪の事態の発生だ！
あ、明日、僕を連れ帰りに来るだって？！

「嫌だ！僕は帰らない！お母さんは来なくて良いよ！」
僕は電話口で思い切り喚いた。
「嫌だったら嫌だ！僕はこのまま勉強を続けるんだ！畑の手伝いなんて嫌だ！レタスなんて嫌いだ！」
しかし、お母さんは手強い。
「聞き分けの無い子ね！！」と同じ音量で返して来る。

「アンタがそんなにお医者になりたいっていうなら、私は別に止めないわよ、ただ、ウチで勉強しなさい！わざわざそこの下宿に住む意味はないでしょう！」

ここに住む意味はないって……？
とんでもない！

もし試験に落ちたと知ったあの日に、お母さんがそう言っていたなら、僕は多分家へ帰ったさ！
でも、ユウミさんを知ってしまった今はもうダメだ！！

「い、意味はあるよ！ここはすごく良い所だし！」
「良い所だから何？それは当たり前でしょうが！でもアンタには、お金の無駄使いってものよ！アンタはウチに帰るのが一番！」
「そんな事ない！」
「だから何故よ？！理由を言いなさい！」

僕は「うっ」と言葉に詰まった。
理由を言えと言われても「ユウミさんが好きだから」なんて言えない……。

結局僕は「嫌だ！」と同じ言葉を繰り返した。
「馬鹿の一つ覚えはやめなさい！」
その声と一緒に、電話の向こうで「バンッ！」という音が聞こえた。お母さんはテーブルでも叩いたらしい。

「そもそもアンタ、そっちに越してから寝込んでばかりで全然勉強なんて進んでないでしょう？！そこの環境はアンタに合ってないのよ！ストレスこそ万病の素、お医者を目指してる癖にそんな事も分からないわけ？！」
「えっ」僕はギョッとした。
「な、なんで僕が寝込んでいた事を知ってるの？！」

「フン、馬鹿な子ね！アンタは甘い！甘い、甘すぎるわ！ウチの苺と同じくらい甘いっ！」
お母さんはまるで鬼の首を取ったかのように、得意げに喋りまくった。

「アンタに聞かなくとも、連絡先を調べる方法はいくらでもあるわっ。感謝しなさいよ！私は今いるロンドンの探偵の中でも、一番腕利きだって言われている人に、アンタを探してくれるように頼んだんだから！」

「えっ、探偵？！誰だよ？！」
僕は頭が真っ白になった。
「ロンドンに住んでる癖に知らないの？鈍臭いわねっ。えっと……名前は……。」
お母さんはガサガサと何かを探しているようだった。
「あった！その人の名前はね、シャーロック・ホ…」

ガチャン！

僕は受話器を置いた。