08# 接続 ページ10
「夜鵺、続にお茶出してあげて」
「御意」
物影から此方の様子を覗く、伊古奈と結妃。
「結妃……押さないで」
「ごめんってばー」
「お前らうるさいぞ」
「和泉の声が一番おっきいよ」
「っ!」
名无にそう言われた和泉は、いつものように黙りこんでしまった。
「皆さんはあちらのお部屋で休んでいて下さい。いいですね?」
「はぁーい。伊古奈、結妃。和泉も行こ」
名无が3人をグイグイと押し、隣の部屋へと行った所で夜鵺がお茶を持って来た。
「久方振りで御座いますね、続様」
「あぁ」
「……夜鵺も座って」
「かしこまりました」
白と黒で纏められたシックな空間の中、何とも言えない空気が漂う。
「午前中、セプター4に足を運んだ」
「!」
「其処で……お前がストレインだということと、俺ら双子との関係について話した」
やっぱり……探ってる、ということだろうか。
「あぁ。“漆黒の王”について探ってる」
続は“読心”の能力を持つ、ストレイン。
心の中での声は全て拾われる。
「なあ、何がしたいんだ」
「分からない。ただ――」
ただ、何だ。
“自分”でも“分からない”……。
それが答え。
「……私も分からなかった」
「なら、今は分かるんだな?」
「御前は過去に、私のことを“調律師”と言った。時が正しく流れることを見守る者、と。
時には時を乱し、壊すことも仕事。創造と破壊が紙一重に成った存在が“漆黒の王”だと」
それが正解なのかは私にも、誰にも分からない。
御前がそう考えるなら、それも一つの正解に違いない。
私がそうでないと考えるなら、それも一つの正解に成るのだろう。
「――たい」
「何て言った?」
「だから……私としては、御子神Aとしては美咲や猿比古と、普通の友達でいたい。
王でなくなっても、ストレインだから普通じゃないけれど、一人の人間として生きたい」
そう。
器としての御子神Aでなくて、一人の人間としての、御子神Aの希望。
「友達ってさ、知らないうちになってるもんだろ? なあ、夜鵺」
「えぇ、私はそのように思いますが。Aはどう考えますか?」
「! ……そっか」
「本当に友達なら、話ぐらい聞いてくれる。受け止めてくれるかはソイツ次第だけどな」
(心配性がたまには役に立つ)
(失敬だなっ!!)
(お二人とも、喧嘩はお止め下さい)
(良いと思うけど。滅多に兄妹喧嘩なんて出来ないし)
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桜久蘆ヶ(プロフ) - 紫蘭さん» コメント有難う御座います。ちょっとネタ切れを起こしていて更新は気紛れなのですが、宜しくお願いします。主人公ちゃん結構フラフラしてるんでね、オチはまだ先ですねえ(笑) (2016年9月19日 20時) (
レス) id: f39c732943 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。私的に尊さんと付き合わないかなという願望があります← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月19日 20時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2016年1月4日 4時
