24# 尾行 ページ28
書類の内容をタンマツに移してもらい、息抜きに鎮目町を散歩していた時、彼を見つけた。
「……伊佐那、社」
後ろをついて回るのは、美咲。
「だから違うって言ったのに」
「どうすんの? というか、助けるんでしょ?」
「そりゃあ……困ってるみたいだし」
今日の付き人は名无。
日傘を私の方に傾けて、歩いている。
「主上、其処のベンチでちょっと待ってて」
「え? あっ……名无!」
私の制止の声にも耳を傾けず、名无は美咲を追って何処かへ行ってしまった。
「……30分は、待ってあげよう」
ベンチに腰掛け、タンマツに目を移した時、隣に気配を感じた。
「誰待ってるの?」
「!」
「久し振り、ヒヨリ」
「アンナ……! 鎌本くんとか、誰か一緒じゃないの?」
「ミサキが一緒だった」
「そういうことか……。私と此処で待ってよう? 戻って来なかったら送るから」
「うん……」
置いて行かれた二人。
会話は然程無く、気まずい。
「ヒヨリは……ずっと王様なの?」
「あぁ、うん。一応そうなるかな」
「あまり聞いちゃいけなかった?」
「そんなことないよ」
王で居ることが当たり前になってしまった。
記憶を取り戻す度に、愕然としていた。
あぁ、またか。と。
「尊さんはとても良い王様でしょう?」
「うん」
「……私もね、昔、尊さんに憧れてた」
「?」
「人を惹き付けるでしょ? すごいな……って」
「ヒヨリも魅力的」
「ふふっ、ありがと」
“千早はすごいなあ。すごくかっこいい”
言ってたっけ。
その時、遠くからあの二人が帰って来た。
「主上〜! 八田捕まえたー」
「あっ、名无!」
美咲は酷く驚いた顔をしていた。
「えっ、A!? アンナまで!?」
「美咲。私、言ったでしょ。社くんは多々良さんを殺した犯人じゃないって」
「……でも」
「でもじゃない! 部外者巻き込まないの!」
デコピンを食らわすと少し涙目になり、此方を睨む美咲。
「私も、探してない訳じゃないから。ね? そんな焦らないで」
「……おう」
私がそう言うと、美咲は俯いて頷いた。
「さ、二人のことHOMRAまで送るから。行こう」
「うん」
「美咲も」
二人の手を引き、HOMRAへ送ろうとすると名无に止められた。
「ちょ、主上! まだ仕事残ってるけど!?」
「帰ったらすぐやるから。息抜きさせてよ」
「はあ……了解」
(名无……さん、って何歳なんすか?)
(さぁーね)
(A)
(私も知らないんだよね……)
続く (更新停止中)
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桜久蘆ヶ(プロフ) - 紫蘭さん» コメント有難う御座います。ちょっとネタ切れを起こしていて更新は気紛れなのですが、宜しくお願いします。主人公ちゃん結構フラフラしてるんでね、オチはまだ先ですねえ(笑) (2016年9月19日 20時) (
レス) id: f39c732943 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。私的に尊さんと付き合わないかなという願望があります← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月19日 20時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2016年1月4日 4時
