.___5 ページ5
side照
フードコートで美味しいご飯を食べて、満面の笑みをみせ、
文房具屋さん行きたいって言ってルンルンで歩いてきたラウ。
そんなラウは今、さっきとはかけ離れた姿で俺の前にいる。
ラ「…ゔゔっっ、あ''あ''っ、お"えぇっっ、」
照「大丈夫 大丈夫〜 頑張るよー」
こんなラウの姿は何回も見てきたけど、慣れることは無い。
今も心臓が飛び出そうなほどバクバクしている。
全身を固く硬直させて反り返りながら、必死に歯を食いしばるラウ。
意識はなくて、呼吸も浅く、チアノーゼ気味だ。
そんなラウの体を横向きに倒す。
吐瀉物で窒息しないようにね。
ふと思い出して後ろのめめの方に目を向けると、今にも泣き出しそうな顔でこっちを見つめ、小刻みに震えていた。
これは、、大変だ。
照「めめー！ ちょっとこっちおいで。 深呼吸 深呼吸！」
そんな言葉はめめには届かず、さらに震えが大きくなるばかり。
そして周りには俺たちを取り囲むようにして人だかりができている。
こんな状況もめめには大きな負担だろう。
ほとんどがこっちを白々しい目で見てくる。
そんな目はもう、慣れている。
照「くそっ、」
人だかりがどんどん大きくなる中、ラウの発作も比例するようにどんどん大きくなっていく。
ラ「ん''っっ！ ゔゔぅっ！」
硬直した手足を大きくガクガクさせている。
呼吸もすごく浅く、苦しそうだ。
めめもしゃがみこんでしまって、限界が近い。
どうしようかと困っていると、高校生らしき男女4人グループが、俺たちの元に駆け寄って来てくれた。
男「大丈夫ですか！？」
女「なにかできる事ありますか！？」
すごく嬉しかった。こんなこと初めてだったから。
岩「あ、ありがとう…！ 2人は彼のところに行ってくれるかな？ リュックにある黒のタオルケットを抱かせて、目を合わせてあげたら落ち着くと思うから。」
男女「「分かりました！」」
そう言って2人はめめの方へ走っていってくれた。
岩「…じゃあ、2人でこっちを手伝ってくれるかな？」
男女「「はい！」」
ラウの服を緩めてもらったり、俺のカバンからカニューレと呼ばれる酸素チューブを取り出してもらったり、ラウの発作の時間を測ってくれたりした。
顔を上げてみると、他にもたくさんの人たちが、人だかりを流してくれていた。
あれ、、
世界って、優しいんだな。
そう思った瞬間だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 900人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そらな - ゆっしーさん！コメント、応援 ありがとうございます♪ わかりました！ しばらくお待ちください。リクエストありがとうございます！ (5月15日 19時) (
レス) id: c1eae2a7dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆっしー - しゅんがでてくるはなしがまたみたいです。応援してます (5月14日 18時) (レス) id: f067335842 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：そらな | 作成日時：2023年5月14日 11時
