最終日（ガイスト視点） ページ46
〈更に次の日〉
今日は、ずっと眠っていた最後の英雄が起きた
急に起きたかと思ったら起き抜け一番に「帽子‼」なんて、びっくりした
運ばれた果物も直ぐに無くなって、テラコッタさんと張り合って…
…いや、なんであんなに食べれるのかな？
あれはもう、人体の構造としておかしいよね
僕ら人間じゃないけど、あんな人間見たことない
でも、宴は楽しかったなあ
見てるだけで参加出来ないのが悔しいよ
紫蘭さまは机の隅でマイペースに食べていました
時々他の人達の方を見て呆れたように笑っていて、まるで保護者みたいだった
その後は大浴場でお風呂みたいだった
僕は行かなかったけど、紫蘭さまは引きずられていったよ
大人っぽい紫蘭さまがアワアワしているのは印象的だったなぁ
後で教えて貰ったけど、紫蘭さまの故郷では同性にも裸を見せることはないんだとか
入浴着を着て入ったって言ってた
覗かれたらしいから、それが正解だったのかも
お風呂の後、英雄達が此処を出るって話してた
紫蘭さまも行っちゃうのかと思ってたら、紫蘭さまは仲良くなった人に挨拶してから行くと言って、他の英雄達と別行動になった
紫蘭さまを引くと、超カルガモ部隊と人数ピッタリだから、丁度良いみたい
紫蘭さま以外の英雄達を見送って、またいつもの場所に向かう
ここで紫蘭さまのお話しを聞くのも、これで最後なのか…ほんの数日だったのに、この時間が無くなると思うと変な感じだ
紫蘭さまは、歌を歌ってくれた
最後になるかもしれないからって、紫蘭さまの好きな歌を歌ってくれた
みんな、みんな、静かに聞いてた
自分達の過去を思い出して、聞いていた
やがて歌声は夜空に吸い込まれて消えていった
きっと、僕らはこの歌を忘れられない
忘れることなんて、出来ない
きっと、紫蘭さまのこともそう
僕らは語り明かして、その夜を過ごした
僕らが霊体で、酒が飲めないことが物足りなかった
〈立志式の日〉
紫蘭さまは朝早くにこの国を出ていった
今日はビビさまの立志式、人が集まる前に行くって言って、あっさりと行ってしまった
天候は快晴、風も落ち着いていて飛びやすいけど速度が出ないのだとか
先に出た英雄達に追いつくために、ゆっくりと飛んで行った
また会えますように…
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作者名：テア． | 作成日時：2017年12月11日 20時
