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深い眠り ページ37

エースside

…紫蘭のあんな顔、初めて見たな

ルフィ達と一緒にアルバーナに来るまでに紫蘭に伝言を残すのを忘れていた事に気づいて、きっと来ないと思ってた

なのに紫蘭は現れた

最高で最悪のタイミングで

砲撃まで5分を切った時、時計台から現れて屋根を駆け移っていく紫蘭を見て、息が止まるかと思った

一瞬、そう評しても良いくらいの速さで俺の上を通り過ぎて行った紫蘭は、常に無い焦った様な顔をしていた

声を掛けても振り返らず、あっという間に飛び去り、爆発に巻き込まれた

紫蘭が落ちていく姿を見ている事しか出来なくて、そんな状況でも戦い続ける奴等に腹が立って…でも、生きてた

倒れたルフィ達の側でこれからどうするか考えていたら、空を飛ぶ布に乗った紫蘭が現れた

頭から血が出てるし腕や背中に何か刺さってるし、無事では無かったけれど、安心した

何処からか拝借したシーツを浮かせてルフィ達を運び、動く救急箱に手当てをさせて…

俺は状況説明をした
話を纏めるのは苦手だから時間がかかったが、紫蘭は聞いてくれた

クロコダイルの話になると、紫蘭の顔が曇った

紫蘭だけでなくミニキャラ化したツークフォーゲルも沈み、2人だけで話していた

そして

紫蘭は休むと言って部屋を出て行った

残ったのは俺と眠ったままのルフィ達に、ツークフォーゲルと未だ忙しなく動く救急箱

ルフィを見ると、肉食ってる夢でも見てるのかアホヅラして寝ているが、傷だらけで無茶してばかりなのがわかる

兄としては心配だが、自分も無茶ばかりしていたことを思えばこれくらいは仕方ないのか

そしてふと思った

「紫蘭…何処で休んでるんだ?」

今の王宮は空っぽだが、もうすぐビビや国王も戻って来るだろう

何より紫蘭も怪我をしているのだ

医者に見せた方が良いに決まってる

フォー「紫蘭ならそう遠くない倉庫辺りにいるんじゃないか?
水は嫌いだから外は無いと思うぞ」

救急箱の手伝いをしていたミニキャラツークフォーゲルが教えてくれた

部屋を出て探してみると、確かにいた

倉庫の中で丸まって眠っていて、ピクリとも動かない

「紫蘭?」

声をかけても揺さぶっても全く起きないし、触れた頰は冷たい

まさかと思って呼吸を確認すると、しっかりと息をしていた

思わずため息をついてしまった

仕方なく紫蘭を抱き抱えて連れて行ったが、本当に食べてるかと聞きたいくらいに軽かった

広間にルフィ達と並べて寝かせる


紫蘭は、それから次の日の朝まで寝続けた

次の日(朝)→←能力使用限界



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作者名:テア. | 作成日時:2017年12月11日 20時

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