【ONE PIECE】空を行く旅人 (ページ4)

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エースの気持ちページ4

エースside

『海賊になるならば尚更、世間の目なんて払い除けて仕舞えばいい

少なくとも、貴方を愛してくれている人がいる事をわすれないで下さい、エース君』

そう言ってそいつは俺の頭を撫で、包み込むようにして抱きしめた

こいつと会ったのは山の中で狩をしている時だった

夕食はワニ鍋にしようと決めて狩っていた時、森の中から不意に現れた見慣れない奴に警戒していたのに、ルフィが真っ先に話しかけてあっさりと仲良くなってしまった

まぁ俺も、そいつー紫蘭ーの話す他の島に着いて聞いているうちにすぐ慣れたんだがな

紫蘭の話で一番驚いたのは認めるのも嫌な俺の親父…ロジャーについてだ

紫蘭があいつに会った事があったのにも勿論だが、紫蘭はあいつの事を嫌っていなかった－人の話を聞かない呆れたバカとは言っていたが－ことだ

あれは親愛を込めた言葉だった
俺がこれまでに聞いて来たあいつに対する罵倒と否定とは全く違う、温度のある言葉だった

そして、あいつの名前…これまでゴールド・ロジャーだと思っていたのに、紫蘭はあいつの事をゴール・D・ロジャーと言った

…俺は、あいつの事を嫌っている癖に名前ですら知らなかったことに気付き、唖然とした

そしてついさっき、紫蘭に俺が海賊王の息子である事をいった

嫌われると思っていたのに、紫蘭はむしろ、其れがどうしたと言わんばかりに接して来た

紫蘭は俺を俺として見ていた

海賊王の子だと言っても、紫蘭は俺＝鬼の息子ではなく、1人のポートガス・D・エースとして見てくれた

嬉しかった

俺がやりたい事を聞いてくれたし、あいつのことをきっぱりとバカと言い切り、俺を甘やかしたいと言う紫蘭に、胸のあたりがむず痒くなった

あまり身長は変わらないにも関わらず、俺を抱きしめる紫蘭は、とても大きな存在に感じられた