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「消太」
Aが中三で俺が高一。Aが雄英の普通科に受かったから一区切りついて、家に泊まりたいというから春休みに両親不在の日を見つけて一線を越えた
見上げてくる顔が幸せそうで、俺は不思議に思って、黙ってじっと見つめ返す
「もう、痛くないよ？」
「いや、痛いって聞くけど」
「んー痛いけど幸せだから平気」
「…女は強いな」
「そうかなぁ」
シーツにくるまってにまにまと笑うから、俺は不思議で仕方なかった。痛いもんは痛いだろ。何で嬉しそうなんだよ。変な奴だな、と
俺はAの頭を撫でて二人分のコップに水を持ってきて手渡す。一口飲んでベッド際の床に置いて、隣に倒れこんで目を閉じた
「なんか…すごかったよねぇ」
「…そうだな」
「未知って感じ…なんか信じらんないや…」
「…ふわふわする」
「分かる…不思議な感じ」
Aはゴムがどんなのか見てみたいと言い出したから、俺は引き出しから取ってきて渡す
あの頃は避妊具の自販機が色んな所に設置してあったから、そりゃ恥ずかしかったけど手に入れるのには苦労しなかった
Aはパッケージを見て興味深そうに説明を読み、避妊率100％じゃないんだってー、と呑気に言った
俺は苦笑してAの頭を撫でた。こういうとき、どうするんだっけ。クラスの男子がなんか騒いでたな。とりあえずつむじにキスしてみる
元々微笑んだままであんまり表情が変わらないから、ああそういえばこいつはちょっと変わってるんだったと思いだして笑った
「消太、好きだよ」
「ん…寝ろよ」
「うふふ…好き」
「いいから寝ろって」
「照れてるう」
そうそうこいつはこんなやつだ。普通のカップルが求めるようなことを求めてこない。キスもハグも俺から。頻度もあまり多くない
こっちとしては気を使わないから助かるが、時々こんな風に心配になる。多分俺がAなしだと平静を保てないってのをこいつはどこかで確信してるんだろう
それは逆も然りだからいい関係なんだと思う。他の奴らはほぼ身内なのによくもとか、運命だとかいってくるけど俺は単なる偶然だと思う
頭を撫でると嬉しそうに笑うから、こいつに出会えた偶然に感謝した。映画で見たように額にキスしてみると、不思議そうな顔をしてキザだね、と笑ったから、俺もつられて笑った
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
