その後1 ページ20
「消太、付き合ってた人いなかったの？」
Aは何ともなさそうに隣で胡坐をかく俺に尋ねた。化粧を落としてもあんまり変わらんからやってる意味あるのか、なんて聞いてみたくなる
「いねぇよ、そんな暇あると思ってんのか」
「ないない、ぜーったいないね」
「…Aは」
「実験三昧でいませんでした〜ざんねーん」
残念ってなんだ。俺は苦笑してAの頬を撫でた。微笑んで、細めた双眸が俺を映す。心臓がぬるい。その反面せつなくてどことなく申し訳なくて、ズキンと痛む
「今度謝ったら人前でしょうちゃんって呼ぶよ」
「…なんかきつくなったな」
「社会にもまれて成長したんだよ〜」
「…何年経った？」
表情から察したのか、Aは強い口調でそう言い放った。んー、と空に視線を過らせて、また俺を見て、日向のネコみたいに目尻が垂れる
「忘れたけどいっぱい」
「だな」
「私のお姫様〜」
「やめろって」
「先生なったんでしょ？教免取るの大変なのに…」
「やりたいことだったからな」
「初めて聞いたんですけど」
俺はまた苦笑して、薄い唇にキスを落とした。不思議そうに見上げてくる目の、一重を撫でて抱きしめる。Aはうぐ、と変な声をだすとそっと俺の背中に腕を回す
「消太、寂しがりやさん」
「嫌か？」
「全然！会えなかったから私も嬉しい〜」
「ん…ならよかった」
「ふふ、髭くすぐったい」
額に唇を落として、瞼、鼻先、耳、首筋と、会えなかった分、順々に愛を注ぐ。くすぐったそうに笑ってAからキスを強請ってきたから俺は笑ってそれに答える
「雄英だから静岡だっけ。私ずっと東北いるから…遠いね」
「だな」
「あんまり会えないけど、月一なら時間作れるよ？」
「…お前我慢強いよな」
「ふふふ。だてに幼馴染やってませんよ！」
幼馴染関係ないだろ。心の中でぼやいたけど、言ってもまた変なこといって押し通そうとするのが目に見えたから俺は素直にそうだな、と頷く
明日の朝の新幹線で帰るから泊りはできない。その分二時間くらいはこうして触れ合えるから、駄弁って、じゃれて、数え切れないくらいAの小さな顔に口づけた
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William(プロフ) - わ~コメントありがとうございます(^^)あのお話は数年間懐で温めてた自信作だったのでそう言っていただけて嬉しいです。番外編、頑張って更新しますので楽しみにしていてくださいね。いつもありがとうございます。 (2020年5月24日 23時) (
レス) id: 3ee161ce59 (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - 相澤先生のお話で目を舐める話を最近読んですごく印象に残ってたから読んでみたんですが、同じ作者様だったんですね！！好きです！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 8f61effecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：William | 作成日時：2020年5月23日 0時
