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生還 ページ31

「おい、早く起きなお嬢ちゃん。」



目が覚めると海賊が牢を開けて待っていた。



「ビビることない。指先をちょっと切るだけ二三滴でいい。」


青林檎を片手に持ったバルボッサを先頭に私とウィルは海賊達に連れられ再び死の島へやって来た。


海賊の中では最早お馴染みとなったピンテルという小太りで背の低い男がウィルに話しかけている。



「でもまたダメだったらどうする?半分は母親のもんだぜ?全部絞り出す!」



だが呪いが解けずに憤った海賊達は甘くなかった。


「…ビビること大有。」


その勢いはピンテル本人をも圧倒したようだ。



「血によって始まり、血によって終わる。」



もう駄目だと思った時ナイフを持ったバルボッサの目が急に、海賊達をかき分け入ってくる男に釘付けになった。



うるさかった歓声がピタリと止んだ。



「ジャック…!」



ウィルが声を上げる。



「どうしてここにいるの…!?」



「そんな事ありえん。」



バルボッサが驚きに目を見開いた。



「有り得る。それ、止めた方がいいと思うぜ?」


ウィルの首をきろうとしたバルボッサをスパロウが止めに入った。


「俺はやる方がいいと思う。」



「…ご勝手に。」


余りにも歯切れの良すぎるスパロウの返事に違和感を抱いたバルボッサはスパロウに理由を尋ねた。



「イギリス海軍ドーントレスが、すぐそこでお前らを待ってるからだ。」



思いも寄らぬ事態に、海賊達は驚きの声を上げる。


「俺の提案はこうだ。君達がドーントレスまで漕いでって得意の仕事を披露。あっという間に敵は片付く。残る船は二隻。バルボッサ艦隊の誕生だ。」



「あはははは!」


スパロウの余りにもオーバーな話ぶりに、不謹慎ながら私は笑いをこられられなかった。



バルボッサにギロりと睨まれる。



「当然大きい方の船に総司令官のお前が乗りパールには俺が乗って略奪品の10%を献上する。そして今後お前はこう名乗る。提督、バルボッサ。若造は遠慮なく殺せ。ノリントンの兵隊を殺してからだ。」


スパロウは例の金貨を手のひらに一つかみした。


「一人、残らず、全員。」



そして一枚ずつ戻していく。


途中、金貨を一枚袖の中に隠しているのが見えたが海賊達は誰ひとりとして気づかず、また怪しまれてもいない。


バルボッサが命令を出して海賊達を出撃させたのでその場には数人の手下しか残らなかった。

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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません!!m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです!!ありがとうございます!!!更新頑張りますね! (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか? (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます! (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね!その気持ち凄く共感できます!! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます!笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ダージリン x他1人 | 作成日時:2017年7月1日 15時

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