死の島 ページ20
エリザベスと見晴台から落ちた時以来の物凄い水しぶきを上げて私は水面に飛び込んだ。
もう誰にもいなくなって欲しくない。
現代で、ごく普通に生きてきた私にもそれくらいは分かる。
全身に海水を被って僅かにしょっぱさが口に広がった。
真っ暗な海は恐ろしく見えても、あの美しいポートロイヤルの海と繋がっているらしい。
それから無我夢中で樽に掴まり、バタ足を続けて70ｍほど先の死の島まで泳いだ。
しかし荒れた海はそれほど甘く無く、途中、何度も波に攫われそうになった。
更に不運なことに、島につく少し手前で頼みの綱だったワインの樽が岩に乗り上げてバラバラに砕けてしまったのだ。
木屑となった樽を棄ててようやく辿り着いた頃には既にくたくただった。
ずぶ濡れの身体を軽くはたいて島の内側に行くとスパロウが海賊たちに囲まれているのを発見した。
この様子だとスパロウと海賊たちは仲が良いわけではなさそうだ。
岩場の影に隠れようと足を進めた次の瞬間、鈍さが思いもよらないところで仇となった。
カラン、カランカランカラン…
石が爪先にあたり、転がる音が響く。
ツイてない。
海賊たちはスパロウから一斉にこっちに視線を移す。
至近距離で見ていたためあれよあれよという間に見つかり、宝の転がる広間へ出ていくことを余儀なくされた。
「ヴィクトリア。会いたかったぞ！」
スパロウは助け船を出すつもりなのだろう。
異常なくらいの勢いで、私との”親しさ”を演出しようとしている。
「このお嬢さんは誰だ？ジャック。」
「聞いてくれ、バルボッサ。こいつはヴィクトリアって言って俺の女だ。随分と美人だろ？」
「私、あなたとそんなに親しくなった覚えはないわ。」
スパロウが気まずそうに眉根を寄せた。
「ご機嫌如何かな？」
バルボッサがニヤニヤと笑みを浮かべながら近づいて来た。
「パーレイ…！」
「またパーレイだ？全く、ぶっ殺してやりてーよ！パーレイなんて考え出した奴！」
スパロウのセリフを真似した私の言葉を聞いた海賊がいきなりキレだした。
「まぁいい。それよりお嬢さん、名前は？」
バルボッサの笑みは相変わらず耐えない。何故だろう…？
「…ヴィクトリアよ。」
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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません！！m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです！！ありがとうございます！！！更新頑張りますね！ (2018年3月1日 19時) (
レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか？ (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます！ (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね！その気持ち凄く共感できます！！ (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます！笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ダージリン x他1人 | 作成日時：2017年7月1日 15時
