収奪 ページ13
人目を忍んで地下牢から出るとポートロイヤルの港へ向かった。
うようよといる海兵と鉢合わせをしないように石橋の下に隠れているが薄いパンプスを履いているため、水が染みてしょうがない。
「船を盗むのか…?あれを?」
鍛冶屋ことウィリアム・ターナーが離れたところにあるイギリスの旗のついた大きな船を見て言った。
「盗むんじゃない。頂戴するんだ。」
スパロウは相変わらずの口調だ。
「でもあんなに遠くまでどうやって行くの?」
私はスパロウを、鼻で笑いながら見た。
「泳いで?」
私がそう聞くと、スパロウは小舟を反対にし、顔の部分だけを内側に溜まった空気に触れさせるという作戦を考えていたらしい。
「泳ぎたいのなら、君ひとりで行きたまえ。Ms.シャネル。」
「失礼いたしました。キャプテン。」
ウィルも緊張が溶け、笑顔が戻った。
ひっくり返しただけの小舟にある酸素は、たかが知れていた。
思ったよりも歩きにくく、酸素もギリギリのところだ。
ドーントレス号から下げられたロープを伝って甲板に降りると、早速スパロウが数人しか居ない乗組員を脅しにかかった。
「全員大人しくしろ!この船を頂戴する!!」
スパロウは銃を構え、
「よし、動くな!!」
ウィルは剣を構えた。
私は二人に続いて後ろの方で様子を見る。
数秒間が空いてクルー達の笑い声が響いた。
「この船を二人で操るのは無理だ。」
その中でも提督と似たような軍服を着た男が口を開いた。
「どうして?三人よ?」
「Ms.シャネル。あなたはこんな連中と付き合うようなお人では無いはずです。早く帰りましょう。」
「嫌よ!エリザベスを早く助けなきゃ。」
「でもこの船を三人で操るのは無理です。湾の外にも出られませんよ。」
「あのな、俺はキャプテン・ジャック・スパロウだ。」
スパロウは男に銃を突きつけた。
「おわかり?」
「船が奪われましたー!!中にはMs.シャネルも乗っています!!」
ドーントレス号の近くに脱出用のボートが浮いている。
その中にはクルーと、先程の海軍の男もいた。
「来たぞ…!」
ドーントレス号の船上では、再び緊張が走った。
直ぐにインターセプター号のクルー達がドーントレス号に乗り付けて来た。
私達は見つからないように船の前の方に隠れて様子を伺った。
今だ…!
クルーが全員移ったタイミングを見計らって私達はインターセプター号へと乗り移った。
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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません!!m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです!!ありがとうございます!!!更新頑張りますね! (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか? (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます! (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね!その気持ち凄く共感できます!! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます!笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダージリン x他1人 | 作成日時:2017年7月1日 15時