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総督の屋敷 ページ5

馬車を降りるととても豪華な洋風の屋敷があった。



室内に入ると真ん中には大きな階段、壁には細かく、綺麗な刺繍が施されていて思わず目を奪われる程だった。



エリザベスが近くに居たメイドに何か耳打ちすると私はあっという間に風呂場に連れていかれ、丁度いい温度の泡風呂に浸かることになった。



「ねぇ、あの娘の噂は聞いた?」



「聞いたわよ。どこかの良家の子女だったんですってね。」



少し遠目に二人のメイドがこちらを見て話している。



「そうそう。でもお嬢様が見つけた時には靴も履いていなかったとか…。きっと船が難破したに違いないわ。」




「おやまぁ…。お可哀想に…。でも私も一目見たときから大体のお育ちは想像がついていたのよね。何よりあの風貌と品格。お嬢様とはまた違うおおらかな美しさよねぇ。」



「それにあの美貌ならこの先何不自由無いわね。」



風呂から出ると適当なドレスを着せられて鏡台の前に座らされた。




「直ぐに良くなりますからね。」



メイドはそういうと私の前髪を強引にあげて固めると髪をゆるく巻き、左右の髪をそれぞれ黒いバレッタで止めて薄いメイクを施しエリザベスを呼んだ。



「まぁ。よく出来ているじゃない!凄いわ。」



正直、私もここまでの仕上がりになるとは思っていなくてかなり驚いた。



エリザベスに連れられ、長い階段を使って一階に降りてきた。




「ここで待ってて。」


エリザベスはそういうと一室へ入っていった。



ドアの隙間から様子を伺っていると部屋の中の声が聞こえてきた。



「いいじゃない…!とても礼儀正しくていい子よ。家に置いてあげたいの。」



「エリザベス…。お前のわがままには根負けしたよ。いいだろう。」




「入ってきて!」



エリザベスの声にドアを開けて入って行くと白髪のカツラを被った風格ある男性が立っていた。



「おぉ…。美しい。どこのご令嬢かと思ったよ。」



男性は私の印象が予想とは違っていたらしく、かなり丁重に歓迎してくれた。



「ヴィクトリア、私の父よ。」



「ヴィクトリア・シャネルです。この度はお会いできて光栄です。」



エリザベスの父と云う人は、なかなか優しそうな人だ。



「ウェザビー・スワンだ。エリザベス、お前の言う通り礼儀正しい子じゃないか。まだ若いのにしっかりしている。おまけに美しい。」




エリザベスは得意気に微笑んだ。

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Caesar(プロフ) - ティコ。さん» 返信遅れて本当にすみません!!m(_ _)m面白いという御言葉すっごくありがたいです!!ありがとうございます!!!更新頑張りますね! (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ティコ。(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!あと、1つ質問なのですが、名前は固定ですか? (2018年2月28日 12時) (レス) id: e878cfb355 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» 追記:本当にありがとうございます! (2017年8月7日 21時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
ダージリン(プロフ) - むらなかさん» あれ見たらファンになっちゃいますよね!その気持ち凄く共感できます!! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 85ba8e2866 (このIDを非表示/違反報告)
むらなか(プロフ) - 私もパイレーツファンでいつも楽しく読ませていただいてます。更新楽しみにしてます!笑笑 (2017年8月7日 17時) (レス) id: ce8b8b5d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ダージリン x他1人 | 作成日時:2017年7月1日 15時

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