ほわいとらんぺいじ。3

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北人 side









健「北人、」



「っ、！……何ですか？」



健「ちょっと、いい？」



「…はい」







突然名前を呼ばれ、連れてこられた先は自販機の前だった。










健「あのさ、今更って思われるかもしれないけど…北人にあまりにも避けられたら辛くなっちゃって、俺も自分から言えなかったんだけど」



健「付き合ってた頃に戻りたい、とかそーいうんじゃなくて…せめて付き合うより前の関係に今またなれたらいいなって思ってて」



健「これから先まだまだランペとして一緒にいなきゃいけない、から…ギクシャクはしたくないなって」



健「北人にとっては無理な要求かもしれないけど、お願いします…！」







勢い良く下げられた頭。



俺は一体この人に何をさせてるんだろう。







「頭…あげて下さい」







そう言うと俺の方を見ながらゆっくり頭を上げた健太さん。



少し涙目になっているように見えるのは多分俺の気のせい。







「俺が幼稚すぎただけなんです、すみませんでした…これからはちゃんとメンバーとして接するように努力は、します」



「でも健太さんと話してるとどうしても過去のことが頭に浮かんで…感情がぐちゃぐちゃになって、今自分は幸せなのか分からなくなるんです」



「だから、俺から話しかけることはほとんどないって思ってて下さい…健太さんが話してきたらちゃんと言葉返すようにするんで」







我ながら冷たい返事だと思った。



それでもその意思を貫いたのは、昔の彼への少しの対抗心。







健「…ごめんね、」







俺の目を真っ直ぐ見てそう言った。







健「北人を苦しめてるのは分かってる、今も昔も北人が辛そうな顔をするのは…大体俺が原因だから」



健「いつか北人から話しかけられるように、俺頑張るから」







何を頑張るのか、そう聞こうとしたら健太さんは楽屋へ戻ってしまった。





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