ほわいとらんぺいじ。2

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北人 side









「…はぁぁ」



樹「幸せ逃げますよ」



「…うっせー、もう俺の幸せは逃げる寸前なんだよ」



樹「涼太さんのことですね、はいはい」



「……は？何で分かんの？」



樹「北人さんは涼太さんのことだと百億面相になるんで」



「百億も表情ねぇわ」



樹「すんません」







今隣にいるのが樹じゃなくて涼太さんだったら。





あの大きな身体で俺のこと包んでくれないかな…



そんままそーいう雰囲気になって、…って何考えてんだ俺！







樹「顔からしてもう変態っすね」



「お前に言われたくない」



樹「……………」



「おい、無視すんなよ」







そう言っても結局無視してくる猫。



ほんっと気まぐれなやつだな。









「お疲れ様でした〜」







今日はドラマの撮影が早く終わった。



…だから久しぶりに涼太さんの家に上がろうかと計画中。







北人合鍵使って涼太さんの家上がらせてもらいます!晩ご飯作って待ってるので!








「よし、！」







涼太さんの家の近くのスーパーで材料を買って家にお邪魔させてもらった。





相変わらず広い…



流石王子様って感じだな…









「…っ、まだかな……」







作った2人分の晩ご飯はとっくの昔に冷めてる。



涼太さんと一緒に食べれるかな、と思って俺もまだ食べていない。





LINEも既読付かないし…



ほんとに俺涼太さんに呆れられちゃったのかな。





そう思うと情けなくて、不甲斐なくて…



高級そうなソファに体育座りで蹲って、柄でもなく静かに涙を流した。





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