ほわいとらんぺいじ。

◇ ページ48

･





樹 side









あの夜から1ヶ月が経った。





…相変わらず後ろから視線を感じていて。



むしろ前より酷くなった気がする。







慎「…じゃあまた明日」



「うん、おやすみ」



慎「おやすみなさい」







階の違うまこっちゃんと別れて、階段で自分の部屋まで向かった。







「…な、にこれ…」







ドアにガムテープで封筒を貼り付けられていた。



…怖い、怖すぎる。





とりあえず部屋に入ってひと段落ついた所でそっとその封筒を開けてみた。







「っ、…！！」







出てきたのは俺の写真で。



ただの写真じゃない、明らかに盗撮のやつ。





何枚も何枚も、プライベートの写真ばっかで。



…視線を感じていたのはやっぱり間違いなんかじゃなかった。





その写真たちに紛れ込んで一枚の紙が出てきた。



中に黒のペンで何か書かれているみたいだったけど読む気にはならなくて。



深呼吸して薄目で見た。









愛する樹くんへ



樹くん、どうして隣に僕じゃない他の男がいるの？

嫉妬で可笑しくなっちゃいそうだよ

手は出さないでおこうとか思ってたけど、そんな

ルールないかなぁ…なんて思ってね


樹くん、君は僕と出逢うために生まれてきたんだ

伝えるのが遅くなってごめんね？

慎ってやつは俺がやっつけとくからさ

デートでもしよう、今度

もう我慢しない、今から君に会いに行く









「っ…、…はぁ、…っは、」







怖くて仕方なかった。



今からっていつ？もしかしてこの部屋の中にいるの？





嫌だ、来んな！！







「まこっちゃ、…」







ダメだ、俺がまこっちゃんに助けを求めたらこの頭可笑しいストーカーが何しでかすか分からない。



1人で耐えなきゃ…





結局お風呂にも入らず、そのまま布団に包まって一睡もしないで朝を迎えた。





･

◇→←◆俺が守るから。慎 × 樹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す