ほわいとらんぺいじ。

◇ ページ11

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壱馬 side









北「…お疲れ様でーす」



「「「お疲れ〜/お疲れ様です」」」







リハ中、北人がドラマの撮影から帰ってきた。



…何か元気がないような、そんな気がしなくもない。







「…北人、」



北「ん？…何？」



「…大丈夫、か？」



北「何が？」



「体調悪そうな感じやけど」



北「…大丈夫だよ」







北人に頑張って話しかけても冷たく返されて会話が終わってしまった。





…もう昔みたいには話せんのかなぁ。



そう思うと、もっとちゃんと北人と向き合っていれば良かった…って痛感した。







思えば、仕事以外で会う時はいつも北人からの誘いで会っていた。



俺は北人のことが好きすぎるが故に、ずっと一緒にいると自分がダメになってしまう気がして彼を誘おうにも誘えなかった。





…それが北人にとっては嫌だったんかな、と今更ながら思った。









「…ほく、」



北「樹〜」







このままでは流石にダメだと思った俺はリハ終わりに、北人に飯行こうって誘おうとした。



でも無理だった。





北人は俺が話しかけたのに気付いていたはずなのに、樹を呼んで俺から逃げるようにして離れていった。







慎「…大丈夫ですか？」



「大丈夫なわけないやん…」



慎「俺だって嫌ですけどね、あーやって樹さんが他の人と話してるの」



「いや別に話すくらいはええんやけど…完全に無視された」



慎「もう1回話しかけたら良いじゃないですか」



「…もう無理や、俺のメンタルズタボロ」



慎「はぁ…仕方ないですね、壱馬さんが行かないなら俺行ってきます」



「は？え？」







どうなったらそうなるのか。



慎は俺のそばから離れて2人の所へ向かう。





…俺はその場から動きもせずにただ黙ってそれを見ていた。





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